なんかやりたい ⑤カメラも使いたい

はじめに

④では腕を上げたり下げたりしました。途中で思いついたこともあってそれなりに時間がかかりました、まだまだ分からないことだらけですが、頑張ったなりに絵的なリッチさは出せたんじゃないかな……と、思います!

anime197166.hatenablog.com

次は見てる側、”カメラ”にあたる部分を使ってみても面白そう! カメラを使うとは、喋ってる人のほうに画面が動いたり、顔を映したり、それとも足を映したり…のことを言っています。一人称視点のアニメ・ドラマもあったりするね。今まで特に意識していませんでしたが、これもありふれていて出来そうな事かもしれません!!

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1.やってみよう

つまづきました…………

カメラを動かすと言って何をやろうかな。例えば朝ごはんを食べてる人がいて、それをグラグラ撮ってもブログのタイトルは達成できそうです。でもわざわざカメラを揺らす意味がありません。今までは「腕を上げたい」なら「腕を上げる」をすれば良かった、でも「カメラを動かす」は何かを演出するための手段なので、カメラさえ動けばいい! と言うと目的と手段が逆になっている気がします。

そこで、まずカメラが動きそうなシチュエーションを決めてから、どう撮るか考える の流れにしたら良いのでは? 思いつきました。以下では即興でいくつかの場面を立てて、それぞれの見せたいものに沿ってカメラにも気を配れたらなと思っています。よーしやるぞー!

 

2.場面① 教室で立ち上がる

<シチュエーション>
私はいま学校の教室にいます。退屈な授業中に手元で落書きすることに夢中になってしまい、不意に先生に当てられた私は急いで立ち上がりました。

ありそうな場面です。座ってるときの横顔から始まって、立ち上がるまでをやりたい。これをカメラ固定で映そうとすると(テレビ画面が縦に短いのも相まって)人は小さく映ってしまいます。もしこの場面で”顔”を見せたいなら、顔を追いかけるように視点の方を動かすと良さそうです。

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だいたいイメージこんな感じ。

 

3.中身を作る

まずは人が顔を上げるところを作ります、横着して体の下の方までは書いてません。スタートとゴールがここで、

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間の動きなどを書き足しながら一旦くっつけます

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大きな絵3枚、目や口の細かい絵3枚の計6枚でやってみました。このままだと立ち上がってるようには見えません。次は視点を上げたことが分かるように背景を付けて動かします。

 

4.背景を作る

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縦に長い背景を用意しました。座ってる姿勢から立ち上がるとこのくらいの高さになりそう。映すところの位置が決まったら、次は人の動きに合わせて背景を移動させます。

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素材をもとに動画編集ソフトで背景をぬいっと移動させます。今回はaviutlを使ってますが、なにぶん使い方が下手っぴでいつも苦労します。。。gifアニメ用のもっと使いやすいものがないかな…。

↓ ↓ ↓

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背景を動かしました!!
うーーん……どうなんでしょう。立ち上がった事は分かるようになったのですが、何となく機械的な感じもします。思ったよりモタモタしてる。。。

 

5.状況に合わせてアピールする

なんでモタモタさが目に付いたんでしょう、もう一度場面を振り返ります。

<シチュエーション>
私はいま学校の教室にいます。退屈な授業中に手元で落書きすることに夢中になってしまい、不意に先生に当てられた私は急いで立ち上がりました

今の場面では「急いで立ち上がる」ことが大切だったので、ここに違和感があったみたいです。逆にいうと「普通に当てられて立ち上がる」場面だったら、ある程度このままでもモタついては見えないはず。急いでる今は視点もキュッと動かしたほうが良さそうです。

↓ ↓ ↓ 

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背景を短い時間で動かして勢いを付けました。動かし方も、動き始め・終わりをゆっくりさせる移動に変えました。機械っぽさが減ってるかな。人の方は触ってないのに結構印象が違って見えます! このあたりのタイミングや動かし方は凝ればいつまでもできそうな感じがしました。

 

他にも要素は残っています。

<シチュエーション>
私はいま学校の教室にいます。退屈な授業中に手元で落書きすることに夢中になってしまい、不意に先生に当てられた私は急いで立ち上がりました。

急いで立ち上がったのは別の事に夢中になっていたからでした。なぜその動きをしたかの理由にあたるところです。もし理由付けが薄く、わけもなく飛び起きたように思われるとこのシーンの説得力に欠けるかもしれません。

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「夢中になっていること」が分かるためには、例えば映す範囲を変えてもいいのかも。座ってるとき口元を映さないようにして、左下にポツンと詰まってるようにさせると没入感が出そうです。

 ↓ ↓ ↓

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こっちもいい感じに見えます、何度も先生から呼びかけられているのに気付かなかったり、心の声でひとりごとを言ってる場面だとさらに映える気がします。*1

じゃあ次の要素は何でしょう?「学校の教室にいること」「授業が退屈なこと」「落書きをしてること」「先生に当てられたこと」……いっぱいありますが、ここまでにしておきます。アニメは総合格闘技なので、きっとこの場面より前にはもう学校が映っているはずです。途中までの数式と落書きのあるノートがひとつ前の場面で見えてれば2,3個目もOKです。先生が重要人物じゃないなら声だけでも十分に伝わります。

というわけで、1シーンに全部詰めても仕方ないのでひと区切りです。そもそもこれ3秒しか映らないし!! 大事なのは3秒でも伝わるくらい今一番見せなきゃいけないものを選んで見せることのように思います。シンプルイズベストです。

 

おまけ いい感じに見えるってなんだろう

いいと思ったからいい感じなんです!!100点の正解。実は今までのブログで分かるようになったコトをこっそり盛り込んでありました。

『なんかやりたい① あるく』からhttps://anime197166.hatenablog.com/entry/2020/08/15/22222

久しぶりに背景を動かしました、コマ割りで動く人とは別に背景はぬるっと動かすようにしました。よく考えたら初回でもカメラが動いてるといえば動いてますね。ちょっとずつズラしながら1枚1枚保存した日とはもうおさらばです…!

『なんかやりたい② 見る』からhttps://anime197166.hatenablog.com/entry/2020/10/18/112455

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「手元を見る」→「前を見る」で視線の先が変わるので間に瞬きを入れてました。人の動きはちょっと時短ぎみに作っちゃいましたが、大まかな動き、顔を上げて前を見る印象は付けられたはずです。

『なんかやりたい③ もっとアニメっぽくしたい』からhttps://anime197166.hatenablog.com/entry/2020/11/23/001747

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立ち上がったときに見える扉や窓の線を使って、真っすぐ相手を見ているようにしました。画面の外にいるであろう先生や黒板に繋がる道を敷いて、注意が向いていること、緊張感を醸し出そうとしてみました。

だけど、単に意識が外を向いたことだけを言うならここのタテの線は要らなかったかもしれません。

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柱を無くすためには背景を作り直してもいいのですが、映る場所を変えて見えなくするのもひとつ。それかボカしたり光らせたりして目立たなくするのも良さそうです。

背景をいじるついでに色味も調整します。

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特になにも考えず色を置いてたので、人と背景が同化して見えそうです。人は緑色にしちゃってますが 肌色・白い服・髪色 と明るいパーツが多くなりがち。もしも人をクッキリと見せたいなら、もう少し明るさの差を付けてもいいのかも。

↓ ↓ ↓

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後ろにオーバー気味にのけ反って柱を画面の外に出してみました。前を向いてる感が強まります。背景は暗めにして手前の人が浮き出る感じにしましたが、雰囲気まで暗くなってしまったので光が差してるようにしてみました。色んなやり方があると思います。

 

おわりに

ほんとは他にもやりたいことがあって別パターンを用意してたのですが、もう結構な量になっちゃったのでまたの機会にします。
こんな感じ、上と同じでどれも顔が見える場面ですが、どこを切り取ってどう映すかは人の数だけ答えがあります! これをどうやってアニメにできるかな。

<シチュエーション2>
病室にお見舞いに来ています。ベッド横の椅子に座っていて、目の前の大切な人はずっと意識を失ったままです。もし一生このまま・・・と塞ぎ込んでいると、私の名前を呼ぶ声が聞こえ、私は咄嗟に顔を上げました。

<シチュエーション3>
ささいな言葉のすれ違いからクラスの権力者を怒らせてしまい、その取り巻きから激しく非を責められています。圧迫感のある問い詰めを前に頭が回らず、怖くて逃げ出したい気持ちでいっぱいになっています。

<シチュエーション4>
まだ陽が出ていない早朝、戦友と撮った古い写真を眺めて佇んでいます。次の戦いからは逃げ出そうかと迷っていましたが、戦友の約束を思い出し、私は決意とともに明けてきた空を見上げます。

 

今日やったのはどれも正解が無いことです。「腕を上げる」で足が上がったら間違いだけど、どう魅せるかの世界では本当にこれがいいのか、あちらを立てればこちらが立たず、何をやっても功罪が付いてくる感じがしました。だからこそ一番見せたいものを決めて、詰め込みすぎずシンプルにやるのがいいのかなあ…と思います。面白いです。

以上です!

 

*1:やってみると実は一長一短のようにも思います、口元のニッコリから慌て顔になるのも捨てがたい…。すでに1つ前の時点で多少は左端に詰まってるので、没頭感が無いわけじゃありません。この場面では、表情がころころ変わって面白いのが大事なのか、没頭してることの方が大事なのかでも使い分けられそうです。