2022夏アニメの感想

夏アニメも楽しかったね。

引き続き、来期アニメをチェックしながらの随時更新とします。読んでくれてありがとうね。

<更新履歴>11/06 書き終わりました
2022/10/02 神クズ / 邪神ちゃんX / 薬局 / 5億年 / むさしの / すんすん / 転生賢者 / ExH
2022/10/09 組長娘 / はた魔2 / シャドーハウス2 / てっぺん / オバロⅣ
2022/10/16 エンキス / 賭ケグルイ双 / リコリコ / ちみも
2022/11/06 アオアシ2 / アビス烈日 / みゅうみゅう / スパスタ2 / 怪しいメイド

神クズ✫アイドル

 好感度の高みを歩き続けるアニメでした。徳が高く、顔が良い。"クズ"を名乗るにはライバルが多すぎる夏クールだったのはそうとして、笑いたいときに気軽に見られ、かつラストまでの展開にもバッチリやられました。

 実は視聴前は合うかどうかちょっと心配でした。性格クズのアイドル気質で人気は厚いタイプがそこまで好みじゃなくて。だけどいざ見てみると、仁淀くんは楽がしたいだけで誰かを馬鹿にするようなクズじゃないし、毎週すっかり楽しみなアニメになりました。相当やり込んでる人でないと出せないオタク心にも共感。そうそう、あの揃いも揃って机を見つめて今日の出来事を反芻してる時間がまた良いんだよね……

 cv東山さんは真っ直ぐなアイドル役が本当に似合うね。さっぱり笑える視聴感のままでいるために、アサヒちゃんが印象よくアイドルに一途な子だったのはすごく大きかったです。これが例えば本人に気が無くとも、アサヒちゃんの憑依した仁淀くんに対して吉野さんがドキッとする……とかでもNGが出ていました。そういった落とし穴は作中いくらでもありえたのに、お話で嫌味が出そうなところは徹底して配慮されていたのがありがたかったです。

 アサヒちゃん in 仁淀くんを初めて見た観客の反応もすごく良かったよね。超常現象だろうとオタクから見て推しの中身が変わったことに気付かない訳ないんだから。だけど本当に良かったのはその後、推しの異変も全て引っくるめて肯定するところ。あれは見る人によってはお馬鹿に見えるかもしれないけど、私自身はバッチリと共感してしまいました。昔いろいろ*1あったとき、周りにいる優しくて歴戦のオタクはまさに仁淀オタのような据わった目をしてたんです。消え入りそうな火を大事に守るような、誰も興味を示さない路傍の花を慈しむような。その対象に己から否定を持ち込んでる場合じゃないし、何よりどんな変化も愛しくて仕方ないんだよね*2。仁淀オタたちの感情の機微は我が事のように楽しめました。推しの最新トピックが出るたびに歓喜の絶叫が上がって、宴が開かれて、身内から同人誌が出るんだよ。

 吉野さん良い人すぎ……仁淀くんに対する立ち振る舞いがもう彼女のそれじゃん……。ぐぐっと匂わせる態度はありつつ、やっぱり深刻にはなり過ぎないので美味しいところを笑顔で見られました。ありがたい。仁淀くんが筋金入りの朴念仁だからその意識の先に吉野さんも捉えられる日が来るなんて思ってなかったよ……

 瀬戸内さんも本当に良い人、瀬戸内さんは思いの外シリアスな青春時代が描かれました。7話の「ファンをかけもちしてもいい」のところは心から嬉しかったね。仁淀くんから見れば当たり前のことかもしれないけど、それが決して簡単ではないこと、最上アサヒ以外から元気をもらうなんて許せない気持ちにはすごく共感できました。

 加えてなんだか印象に残っているのは9話の瀬戸内さんです。仁淀くんのへちょいSNS更新を見て家でキレまくってる瀬戸内さん。それに暖かく涙するお母さんの目線と一緒に、なぜだかやっとこのタイミングで安心できた気がします。普通息子が家で叫んでたら超迷惑だよね。だけど私たちは自室に籠っていた頃の無表情な瀬戸内さんを見てしまっていて、私たち以上に近くから見ていた親にも趣味を含め理解してもらえる嬉しさとか、キレながら誰よりも楽しそうにしている様子に感情が押し寄せたのかもしれません。しかも瀬戸内さん所属グループの皆からもオタ活を暖かく見守られてるんだよね。よかったね……

 総集編のように今までを振り返るとき、仁淀オタが「今まであった嬉しかったこと」って語り合うのがまた良い。好きなものを思い返してあれこれ話すのはすごく楽しいから。ちょっと食い気味にベラベラ喋るのも笑っちゃって。あのホテル借りてBlu-ray流すやつめちゃめちゃ楽しそうだよね。

 いや~~~9話です。凄かった……大きな箱を埋め尽くす歓声にここぞという必殺のカメラの回り込み。仁淀さんはずっとファンに応援されていて、吉野さんや他の人達にも支えられ、その先に自分の声で出した「辞めなくてよかった」の一言が本当に嬉しくて……自分の中からぽっと生まれて口をついた感情、みたいなものに私は堪らなく弱いです。それに加えて、普段の仁淀さんのやる気の無さやファンサせずとも受け入れてもらえる現状に馴染んでいたせいか、仁淀さんとアニメの着地点がここに行き着くことが自然と想像から外れていて。不意打ちの一手を食らいました。

 10話、完璧な入り。2人の演じる「Let’s ZINGS!」が観たくて、それを披露するのはOPじゃなくステージの上だよね。9,10話はZINGSの2周年記念ライブ、だけど弱小ユニットにとって節目というのはちょっと怖い気もします。つまり終了の告知をされる時が来るんじゃないか……と。実際に仁淀くんは最初から辞める気満々だったし、吉野さんもソロデビューにいい時期でした。

 だけど私たちはもう9話のMCと満員の会場を見てしまったから、安心してライブを見られるよね。冒頭のピアノや「FINAL STAGE」が儚げでも「Beyond the Finale」へ繋がるのはきっと必然で、必然だと思っていてもやっぱり嬉しくて泣いちゃいました。

 アンコールが一瞬出来なかったのも良かったよね。要求することに慣れていないのが分を弁え過ぎたオタクの臆病な優しさの裏返しでもあるけれど、投げた想いが返って来るなんて今まで期待できなくて。だけど9話で仁淀くんの方から初めて想いを投げてもらい、客席から勇気を出してまた想いを返す。このやりとりにZINGSがアイドルとして「らしくなった」と実感できました。視聴してるとき自然と「仁淀くん」呼びから「仁淀さん」になってたもんね。

 最後にアサヒちゃんの話が残っていて、でも正直この人の救い方が想像できなかったんです。気丈に振る舞ってもアイドルに未練たらたらなのは1,2話あたりから既に伝わっていて、でも死んでいる事実は変えようがなく。妥協ラインはいくらでもあったと思いますがまさか3人目のZINGSになるなんて……! その手があったかと見ていて膝を打つやら嬉しいやらで気持ちが一杯になっていました。

 そして歌うのがバラードの「乗り越えてLOST」。2人で歌う曲の大サビからアサヒちゃんの声が重なったの聞いた? あの最後だけは最上アサヒのステージであり、新しいZINGSのステージだったんです。

 毎週楽しく見られました。どこかのタイミングで絶対ZINGSのライブ見てみたいよね。もうすっかりファンだし好きの気持ちで負けたりしないけど、前列にいる明らかに挙動のおかしいオタクにビビったりもしてみたいな……

 

邪神ちゃんドロップキックX

 大好きなアニメ、邪神ちゃんを見ている時間はいつも笑って過ごせました。週7くらいで放送してほしい。

 業界きっての暴れん坊アニメでした。制作インタビュー*3で「もう頭のおかしい愛のあるスタッフしか残っていない」的に言ってるのを見ても(良い意味で)頷けたね。あの人達ならあらゆる手段を使っても続編制作の可能性を探ってくれそう。ただ破天荒をやりながらもアニメの作り自体は質実剛健で、妥協が無く、センスが良く、デザインの可愛さもバッチリ決まっていました。元来の生真面目さ+はっちゃけ具合がいかにも作品の空気感にマッチしてるよね。

 好きなところ、まず邪神ちゃんとゆりねのお互い底の方で繋がっている仲の良さが大好きです。出し抜こうとも/殺そうとも揺るがない言外の信頼関係。たとえば邪神ちゃんがギャグを言ったとき、他は全員キョトンとしてるのにゆりねだけ爆笑してたりするんだよね。いつかの作者コメント*4で「(ギャグは)面白くないけどゆりねには通じる」って見たのがすごく好きで、あの2人は周りも視聴者も作者さえ置いてけぼりにした次元で通じ合ってるんだなって。単に仲良しと呼ぶには陳腐なような、なんだか熟年ドツキ漫才コンビを見るような目線が生まれているのかもね。

 ゆりねの「親になんてなんない」の台詞にも妙な親近感を感じて。アニメか原作かは忘れましたがここから作品への見方が少し変わったのを覚えています。ゆりねは常識人寄りでもやっぱり世間とはズレた人間で、他のキャラ達にもどうしようもないほどダメな一面がありました。だけどそんな不適合さを表に出してなお皆が笑い飛ばしてくれる、ダメだからって信頼が揺らぐ怖さもない、ただし他人様に迷惑をかけた時だけしっかりお仕置きされる。そういう繰り返しを見ているとなんだか武装した心が解かれていくようで。居心地の良さでこのアニメの右に出るものはそう無いと感じます。

 邪神ちゃん達のダメさにどこか安心してしまうのは、自分自身がそんなに立派な人間じゃないと薄暗い自覚があるから……だったりするのかな。ここは意見が食い違うおもしろいところで、放送中は複数の人から邪神ちゃんのキャラは性格が悪いから嫌いって感想も見ました。ぐうの音も出ない。我が道を行くアニメだからこそ、個人の価値観を通すと様々な受け取り方に分かれていくようで面白いです。

 前代未聞のふるさと編、どの回が好き? 特に8話の南島原回が好きでした。橘芽衣が出ると分かったときは遂に地方自治体から怒られが発生すると思ったけど、何とか回避したね。紹介するべきものが多く場面転換も強引なのに、なぜかテンポ良くまとまっていて見所と笑いに絶えない魔法のような回でした。シーン単位の細やかな仕事ぶりもすごい、この話だけで2話分くらいの手間と情熱が詰まってそう。ぺこら様のカッコいいverの声や、無法の中の無法者からお姉ちゃんを守るキョンキョンが見られたのも笑顔でした。ちなみに、踏み絵になった邪神ちゃんを捏ねて作った手延べそうめんは南島原市ふるさと納税にて受付中。一文に詰まってるパワーがすごい。

 

異世界薬局

 ドラゴンが伝染病に置き換わった異世界転生。

 薬局屋さん経営のスローライフというよりは、現実の病院事情に寄り沿ったお話だったね。気楽に見ていながらも、見たいポイントはハッキリとした視聴になりました。

 1つ目はお医者さん版のなろう物語として。普通なら炎や氷を出すところを、このアニメの主な魔法は「患部が見える」とか「適切な処置が分かる」と妙に実用的。それってお医者さんからすれば一番苦労してるところじゃないかなと思います。理不尽なことも言う患者と会話して病名を推測しなくていいし、生死に関わる重大な決断にいつも最良の手を打てる。いかにも負担のかかりそうなところに魔法があってストレスフリーでした。きっと本業のお医者さんが見たらもっと気持ちいいんじゃないかな。

 2つ目は美術面、このアニメ背景めちゃめちゃ綺麗だよね。貴族階級のお部屋らしい調度品とか天蓋付きベッドとか大好きです。ただの廊下でさえ豪華に飾り付けてあってびっくり。人物の方でもロッテちゃん、ブランシュちゃんが出るだけで花が咲いたように空気が明るくなったね。お話が硬くなりがちな分、2人が居てくれるのはすごく助かりました。7話なんてAパートでずっと真面目な話をした後、Bパートに入るなり突然なにか不思議ないきものが扉越しにこちらを覗いてて。コーヒーに巨大な角砂糖を投げ込むような落差で笑っちゃいました。

 3つ目は現実で救えなかった妹のこと。1話は現実世界の妹の遺影が映り、OPでも妹を喪うシーンが描かれました。どれだけお医者さんが優秀でも死を覆すことだけは絶対に出来ない。だけどなろう小説でありファンタジーの醍醐味って出来なかったことが出来てしまうことだと思っています。お医者さんの枠にある限り直接生き返らせることは叶わなくとも、そこが異世界であればこそ何かしらの運命で救われるルートがあってもいいんじゃないかと、1話からずっと祈りをかけていました。

 メイン人物の年齢層が低いのも相まって何かあると思ったけど、結果的にアニメの範囲では決着つかずだったね。原作はまだ続いているそうなので元々お預けなのかも。ともあれ毎週楽しめたアニメでした。最終話「彼が救えなかったもの」とかだいぶ意味深なサブタイで、色々なENDを予想したけど実際はド直球の悪即斬で笑っちゃった。救えなかったものの矛先がロッテちゃんじゃなくて本当に良かった……。

5億年ボタン【公式】~菅原そうたのショートショート~

 評判があまりにも悪くて逆に見始めてしまいました。ショートと言いつつしっかり20分ある。でも何だかんだ嫌いじゃなかったよ。

 中学生が授業中に考えた妄想のような話が延々と続く時間。他に何もやる気が出ないときに見ていました。とにかくタイトルやサブタイの圧が強く「5億年ボタン16連射」とか「5兆年ボタン」が気になってしまった日もありました。悔しい。

 菅原そうたって誰?と思って調べると5億年ボタンを生んだ張本人だったんだね。そういうネットミームがあるのは知っていましたが、それも結構昔からあった気がします。一応制作にスタジオって付いてるし会社で作ってるんだろうな~と思ったら実は順序が逆、個人製作したものを放送局に持ち込んで、法人名が無いと放送NGだったから後でスタジオを建てたらしいよ。すごい、もう誰も止められる人がいない。

 VRoidのモデル可愛かったね、EDに素材名が列挙されてる異常事態。今はあのレベルの3Dがモデリングとか知らなくてもある程度作れちゃうよ。素材を使うだけじゃなく、例えばペンで髪をサッと描くと3Dの髪束になって反映されるのを見た覚えがあります。自由に使いこなせたら楽しそうだよね。


 これでいいじゃん。

 

むさしの!

 さあ、うさぎちゃんの気持ちになっ

 手作り感と狂気あふれるご当地アニメでした。さいたま県の一部地域ではそれなりに認知されてるみたい。そういえばさいたま県でしまむらの大きいビルを見たことがあったけど、さいたまが発祥の地だったんだね。

 当初の放送予定はなんと2017年、そこから5年の延期を経て作られたそう。実は2期にあたるタイトルで、前作は『浦和の調<うさぎ>ちゃん』で探すとキャラクターそのままに見られるよ。こっちはまともに(?)良い雰囲気のアニメしてる。いったいこの数年間で何があったの……

 

咲う アルスノトリア すんっ!

 すごいアニメだったね……お砂糖たっぷりの可愛い日常と、それを簡単に壊せてしまう脅威。そして彼女たちに「こうあってほしい」という祈りが込められたアニメでした。

 ほとんどはトリちゃんたちの暮らしを笑顔で見ていました。お話がよく分からなかった人もここは共通して楽しめたんじゃないでしょうか。立派な淑女を目指す姿から、これは本当に淑女かな?というやり取りまで、精密な線で描き出されていたのが美しかったです。舞台の魔法学園らしいスケール感とか神秘的で優美な感じも好き。

 少しの苦みが甘さを引き立てるように、常に危険と隣り合わせな雰囲気もこのアニメの持ち味でした。本当はあったバッドエンドをたまたま回避した側の世界線に入ったような、薄氷の上の幸せがいつ壊れてしまうかが怖くて。5話は"Warning"が無かったから逆に(もうここまでか……)と腹を括ったり、大丈夫とは思いつつ最終話はリアルタイム放送で確認したりとハラハラしっぱなしでした。EDとかすごく意地悪だよね、あんな首がボトッと落ちそうな花が5つ風にそよいでたら誰かが脱落すると予告しているように見えます。何も無くて本当に良かった……

 謎だらけの序盤からだんだんと状況が見えてくる考察要素も面白かったね。ペンタグラムは妖精みたいな存在なんだ~とか、アシュラムは妖精を守る安全な籠のようなものなんだとか。7話で鳥の巣箱を用意したときはトリちゃん達とどっちが籠の中なんだろうと思ったりもしました。外が危険すぎるよ。騎士パートも改めて見ると筋が通っていて、全体的にかなり作り込みの凝ったアニメでした。ただし細かく話を追わなければ片手落ちという訳ではなく、あくまでメインは5人の幸せな日常だったと感じます。

 好きだった場面、たとえば朝の洗顔シーンが好きでした。日常仕草は慣れ親しんだ動作なだけ少しのアラが違和感に直結する難しい場面です。さらにこのアニメでは大きな影がときおり不穏の意味を持って使われる中、このシーンは朝のぼんやりした明るさを支えるために使われていたのがなんだか美しく見えました。

 上にも通じますが、一番好きだったのは5人が今ここで生きている様子を切り取る手付きです。トリちゃんが寝ぼけ顔でのっそり布団から出るとか、小アルちゃんが雪の上をごろんと転がって起きるとか、お話を進めるだけなら必要でない部分こそ生き生きと描かれていて。それがこのアニメで一番見て欲しかったところであり、いつまでも健やかにあってほしいという祈りなんだと思います。

 そういった祈りがソロー様、制作陣や視聴者も含めて一つの結晶になったアニメに感じます。

 アニメだけできちんと完結するお話になっていたのも良かったね。つまり原作ゲームシナリオを読まないと補完できない投げっぱなし要素は無く、作中で出された謎には作中で答えが用意されていたと感じます。"聞くもの"のように単語とそれが何を指しているかは抽象的で難しいけど、いちど意味が通れば思いの外スッキリできるアニメでした。

 謎とは別に、最終回は5人の日常パートに成果が付いていたのも嬉しかったです。メルちゃんのお会計が足りるとか、開けられなかったビンの蓋が開くとか。ほんの些細なことを積み重ねてきたのが今までで、しかも少しだけ出来るようになってる。淑女の道に繋がっているかはさておいて、この学び舎で5人が勤勉に過ごした証に可愛い結果がもらえるのが幸せでした。探り探り見ていたのもあって「あれはあの時の!」って次々に記憶が蘇るのも心地よかったです。

 余談だけどこの世界にはシジルという仕組みがあり、なにか世界を感動させるような出来事が少女たちに力を与え、それは漫然と日々を過ごすのではダメだそうです。5人がアニメで淑女として研鑽した美しい日々が、その先でちょっと成功したような感動が、いつか来るバッドエンドに抗える力のひとつになったらいいな……なんて願ってしまいます。

 

転生賢者の異世界ライフ~第二の職業を得て、世界最強になりました~

 明日またここに来ます、本当の煮込み料理を食べてあげますよ。

 気を楽にして見ていました。原作は『失格紋の最強賢者』の人、アニメ制作は『バビロン』『スライム倒して300年、知らない内にレベルMAXになってました』のREVOROOT。このタッグを見た時どういう化学反応が起こるのか想像できなくて、期待を高めたタイトルでした。癖と癖のぶつかり合いみたいな取り合わせ。

 お話の方は簡単に読めるかつツボを押さえていて、このジャンルをのびのびと書ける人の筆跡を感じました。呪文の「○○×3」とかラストの天撃フルぼっこもどこか気が抜けていて独特の味があったね。最近はこのジャンルの面白さと文法にちょっとずつ馴染めてきた気がします。失格紋がヒロインへの告白で〆たのに対して、今作は決まったヒロインは不在。代わりにスライムやプラウドウルフさんと行動を共にするので、恋愛絡みよりはもう少し純粋な冒険譚という雰囲気で見られました。

 アニメの方はお話がシンプルな分、やりたい事を思い切りやれる印象でした。もしかしたら新人育成の意味も兼ねてるかもしれないね。REVOROOTのアニメは迫力のある演出が高く評価されていて、今作もそれは健在でした。特に緊迫感を高めるようなシーンは十八番のように生き生きして見えたね、暗い部屋の中で奥にある窓がじーーっと移動するだけで個性が出るから力強い。

 やりたいことはしてる一方で、お話の独特さをしっかり解釈してアニメに落とし込んでいたのも感じます。ユージさんが(はーい)って手を挙げて喋る癖があるとか、ふてぶてしさ満点の煽りカットをテンプレにしたり。疲れた日はこの鼻の穴を見て落ち着くために再生ボタンを押す時もあったよ。ぽけーっとした場面から強烈にインパクトのある演出までを交互に、または同時に出来てしまう緩急がひとつ面白さに繋がっていたと思います。

 このアニメ3,4回くらい森を焼いてない? 森林破壊アニメなんて呼ばれてたね。出番は少なかったけど森の精霊ドライアドさんが同行してるところを見るに偶然じゃなさそう。一度はちゃんとドライアドさんに話を通して仕方なく了承してくれたけど、もし裏で泣いてたら悲しいな……


 ここすき。

 

Extreme Hearts

 タイムラインを熱狂の渦に巻き込んだ作品。アニメの垣根を越えた規格外のタイトルでした。もしサイドストーリー版『Extreme Hearts S×S×S』とRISE公式ブログ*5が未チェックなら見ることをオススメします。

 制作・脚本・キャラデザは『魔法少女リリカルなのはシリーズ』『DOG DAYS』の布陣でちょっと古めのテイスト。監督は『DOG DAYS』『バミューダトライアングル 〜カラフル・パストラーレ〜』など。

 当初はなにかトンデモスポーツ枠に触れておきたくて見たのが始まりでした。これまで『BIRDIE WING -Golf Girls' Story-』や『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』のようなコアな人気があるアニメには乗り遅れることが多くて、今期はひとつでも追っておこうと。結果的に『Extreme Hearts』は趣を異にするアニメだったとは思いますが、2022年夏クールにRISEと同じ時間を駆けられたのは何より宝物な体験になりました。

 

 序盤はかなり気楽に見ていました。プレイヤーロボの存在や、ゴールは当然のようにキーパーごとぶち抜くもので笑ったり。基本的に爽やかなスポ根風のお話が続いたので視聴もスムーズに進みました。また1~7話かけてやっとRISEが5人揃うくらいのペースで、人にじっくりとスポットを当てながらじわじわ進んでいる印象でした。

 気楽とは言いながら段々と異常さに気が付き始めて、このアニメ見ながら疑問に思うようなことに必ず答えが用意されてるよね。打てば打つほど響いてくる感覚。たとえば7話で咲希ちゃんが理瀬ちゃんを勧誘するとき、一騎打ちの勝負には負けたけど勧誘には成功して。だけど負けず嫌いな咲希ちゃんにとってプライドが傷付くんじゃないの?と思えば全部終わった後でもう一戦!勝つまでやる!って食い下がってくれるんだよね。

 「これってどういうこと?」「本当にそれでいいの?」と考える余地があり、視聴者同士であれこれ話すことが出来て、話を裏付けるためのパーツは色んな場所に落ちているのがこのアニメの特徴だったと思います。それはオタクが一番好きなやつだよ。また、この人はこう思うんじゃない?と考えられるのは、あらかじめ各回で人をしっかり掘り下げていたからこそとも思います。

 

 自分の中ではっきり見方が変わったのは8話Bパート、葉山所長が花火を見上げ「この時間が少しでも長く続くように」って呟くところ。口調と表情は変わらず前向きなのになぜか寂しさを感じてしまって。葉山所長は既にソロミュージシャンの夢が終わった経験があって、幸せが永遠でないことを知ってる人なんだね。もしかしてこの人は今からハイパースポーツも駄目になった時のことを考えてるんじゃないか……と思ってしまって。

 TLの人と同じことを思っていたので言を借りますが、このアニメを咲希ちゃん可愛い、ノノちゃん可愛いって言いながら見ている内はまだ助かる見込みがあって、だけど所長を好きになりだすともう取り返しが付かないね。所長の弱さを知って、強さを知って、「応援したい」という気持ちが芽生えたら最後、沼から帰って来ることは無いのでしょう。

 

 RISEのメンバーはみんな所長が好きで幸せになってほしいと願ってる、それはSnowWolfも例外じゃないし、May-Beeや他チームも意識的にRISEと葉山所長のことを見てる。もちろん視聴者も同じだよ!となるところ、その視聴者とテレビの距離の詰め方が尋常じゃありませんでした。

 このアニメは「本編」「S×S×S」「RISEブログ」の3本柱があって、そのうち「RISEブログ」は本編の放送に沿って不定期に更新されていました。最初は葉山所長のソロミュージシャン時代に立ち上げた個人記事から始まり、断念と再始動の報告を経て、RISEメンバーとの出会いがあり……と魂が乗った内容。作中の知名度が上がるにつれてコメント数・いいね数の表示も伸び、質素だったデザインから途中でリニューアルを挟むまで徹底していました。凄いのは単に見かけのいいね数が伸びているだけでなく、自分と周りで見ている人たちも事実どんどん熱を高めていたことです。正しくアニメと現実が連動していました。

 忘れもしない9月23日、所長が怪我から復帰した報告のときは確かにTLが沸き立ちました。あんな経験他にないよ。本編は11話の放送後で、無理をした所長の容態が心配なまま一週間を過ごしている頃でした。そんな時に本当なら放送中にしか話しかけてこないアニメが向こうからコンタクトを取ってきて、しかも怪我復帰という重大なことをいち早く伝えてくれるんです。もうビックリしたのと同時に、心から嬉しくなった自分はもうRISEのファン以外の何者でもないと実感させられてしまいました。

 

 視聴者をファンに取り込み、登場する全ての人たちの思いの先が葉山所長に集まったのが12話でした。アニメの枠すらはみ出した本当に大がかりな会場、それが完璧に組み上がった頂点で花開くステージ……皆が幸せになってほしいと願っている所長が報われること。あの舞台を目撃した時間は何にも代えられない最高の体験でした。

 今までも他のアニメで誰かの目線に強く感情移入して、自分からその世界に入っていくことはありました。ただ『Extreme Hearts』はもっとハッキリ向こう側から手を引っ張ってもらったような、あの青色のペンライトをアニメと現実で振っていたのは他でもない私たちだという確信があります。その体験もやり方も規格外で、ちょっとこれは前後数年間でお目にかかれるアニメじゃないなと思います。

 ここまでは割と外側をなぞるような話で、本当に面白いのはここから内側に広がっています。つまり本編を読んで自分が考えたことだったり、「S×S×S」で補完できる内容、人と関係のこと、歌詞のこと、SnowWolfが登場10分で好感度MAXになったこと。話しはじめると無限にお喋り出来てしまうね。アニメ史に残るタイトルでした。

 

組長娘と世話係

 今期で3本の指に入る大好きなアニメ。ヤクザをアクセントカラーに"家庭"を強く感じられました。

 ヤクザが幼い子供の世話係となり一緒に暮らすハートフルなお話……とだけ聞くと斜に構える人もいるのかも。前書きすると私はヤクザやバイオレンスが好きなわけではないし、暴力を振るった罪が育児さえすれば許されるとも思っていません。特にアニメから入った人には厳しい目を向けられがちな印象で、細かいところで賛否両論あったのもまた事実です。

 だけど私がこのアニメを好きだったのは、あくまでメインは家庭にあり、ヤクザは家庭を引き立てるスパイスとして視聴できたからです。確かに現実の倫理と照らし合わせれば色々と突っ込みどころもあるけど、そうすることにはあまり興味が無く、むしろ社会的なヤクザたちが小さな家庭を守ってくれることにファンタジーじみた絶対の安心感を見ていました。他に大好きだった『極主夫道』も同じ目線で見てたよ。

 

 特に良かったと感じたのが6話です。初めて出来たお友達を「家に呼んでもいい?」と聞く八重花ちゃんに対して、大人たちがちゃんと許可を出してみんな笑ってくれるところ。ここがもう本当に嬉しくて。

 まず八重花ちゃんが屈託なくお願いできるところ。組長の娘として"家に人を招く"って、せっかくの友達に家の人が粗相をして傷つけてしまわないか、何か良からぬことに巻き込んでしまうんじゃないか……って尻込みもできたと思うんです。だけど本来は子供がそんな心配する必要なんて1mmも無いよね。家に招くという平凡な仕草ながら、これは家の人を心から信用していないと出来ないことだったと思います。八重花ちゃんの住んでいる家庭、ないしは子供が認識できる小さな世界の中に、確かなセーフティーゾーンがあると思えたのが何よりも嬉しかったです。

 次に大人たちが迎え入れてくれるところ。霧島はヤクザの事情から一瞬止めようとするけど組長がそれを制して。何の変哲も無いことだけど私にとってはあり得ない光景でした。子供の頃ってどうだった? 誰かを家に呼ぼうとしたとき、両親は何だかんだ言いながら嬉しそうにしてくれたかな。ここはすごーく主観になってしまいますが、自分が子供の頃は叶わなかったことが物語として目の前で叶ったような気がして、だから6話のこのシーンが好きなのかもしれません。


 当時気になっていたのはヤクザの倫理観よりむしろ八重花ちゃんの方です。八重花ちゃんはとことん純粋な良い子で、それだけに最初は脚本にとって都合のいい台詞を子供が言わされているんじゃないかと疑うこともありました。

 だけど見ていく内にそうじゃないと分かってくるんだね。周りにいる強面の大人たちはみんな家庭を大切にする人で、子供を第一に守ってくれて、そんな環境の中ですくすくと育った結果が八重花ちゃんの純粋さなんだと信じられました。アニメって賢すぎる子供も多いからつい大人と同じ物差しで行動の良し悪しを測ろうとしてしまうけど、八重花ちゃんはもっと本来の子供らしく生きていて。それだけに八重花ちゃんの優しさや励ましは心からのものだと受け取ることができました。

 "子供の子供らしさ"はアニメーションにも出ていました。たとえば葵さん親子が遊びに来たときは、子供たちは大人が目を離した瞬間にすぐ走ってどこかに行っちゃう感じ。子供はでっかいのがもう一人いて、霧島もまた心に子供を飼い続けてる人なんだよね。6話はBパートも本当に好きで、あの向かい合わせの食卓へ行儀よく座るのは霧島の子供時代にも重なりました。温かい家庭の中で霧島もにっこり笑ってるとすごく嬉しくなる……。

 杉原さんも好き、舎弟ポジションでなにかと不憫だけど本当に人間味のある人だよね。いつか見たいと思っていた杉原さんのカッコイイところ、しっかり仕事が出来るシーンがあったのも嬉しかったし、さらに霧島が腑抜けたときは啖呵を切れるのにもどきっとしました。やるときはちゃんとやる人なんだ。細かいところだと雫ちゃんの登場シーンでネイルが見えるような構図にしてくれるのも好きでした。雫ちゃん全身のシルエットが良すぎるね……あの筋肉量でヒールも履いてるんだよ。それから普段は和服の組長が何かにつけてスーツを着る場面があるのも大好きでした。

 大きい子供の霧島はYouTuberになれば我を見失いそうになるし、暴力があれば使ってしまうような人で。だから最終回の墓前で語るラストがすごく良かったね。お母さんに報告するのは子供の仕草、だけどあの儀式を越えてやっと少しだけ前を向ける。聞いている間は生んでない我が子の言葉を受けるような気持ちで一杯になってました。コメディ風アニメの〆にはかなりしっとりした場面でしたが、浮ついて笑える作品という以上に、作中の人間がとことん愛されているのが伝わるアニメだったと思います。

 

シャドーハウス -2nd Season-

 全体的に淡々と分かりやすくお話が進んで行く印象でした。1期の庭園迷路パートや『約束のネバーランド』でも同じことを思いましたが、普段アニメを見ない層も多く見ることを想定してお話が練り直されていたのを感じます。そのためダークでミステリアスなイメージとは裏腹に見やすいアニメになっていました。いつも休日のお昼にパンを買ってきて見てたよ。

 一方で1カットの瞬間火力が高いアニメでもありました。言い換えれば、ここに萌えがある!と鉛筆を握らせれば最高の絵が返って来る感じ。1期に引き続きTwitterにキャプが流れてこない日は無いほどでした。たとえば6話のエミリコがオリ―に担がれてるところも好き、どうして我々は可愛い女の子を見たらすぐ箱に詰めようとしてしまうんだろうね……。「生き人形だって人間だよ」って話がメインなのに、エミリコは時々本物のお人形さんじゃないかと錯覚して見えるときがありました。扱いだけでなく、不意に見せる表情のどこかにガラスのような硬さが感じられて。あれは現実の西洋人形をモチーフに描かれてたりするのかな。

 11話は大一番の回。ローズマリー/マリーローズが栄光の廊下から身を投げる場面で、ローズマリーの笑顔が必殺の1カットでした。これから心中する仄暗い冷たさと、愛する人と共にいられる歓喜を両方抱えたような。二人は同じ姿なのにそれぞれお姫様と王子様をできるのって素敵だよね。ローズマリーが凄絶な笑みを湛えたときマリーローズはどんな顔をしていたんだろう。同じ表情だったのか、それとも一体化を拒みお互いを個人と認め合うのであればこそ、悲しみ混じりの違う表情をしていたのか。シャドーの真っ黒な顔から読み取る術はありません。

 2期はケイト様たち同期を中心にどこか危うげな善性でお話が進む印象がありました。もともと1期ではエミリコこそお日様のような人だったのが、だんだんとケイト様が感化され、ケイト様から今度は同期へ伝わっていくような。だけどそこに危うさを感じたのは既に大人の同期関係が破綻していたからです。2つの同期はシャーリーを亡くした・クリストファーを亡くしたと似た部分もあり、ケイト様たちもこのままではいつか同じ末路を辿りそうで心配でした。エミリコがやさぐれてギザ歯になってる未来もある……?

 逆に、今後そうならないためにはきっとラム/シャーリーの存在が鍵になるんだろうね。シャーリー様は実はモーフとして走りまわってる描写があったし、それならクリストファー様もどこかでこっそり生きてたりしないのかな。取り返せないほど破綻した大人組も、ケイト様たちの善意が無駄でなければ何か救われる道が残っていると期待したいです。性根から捻くれまくったエドワードがデレる日は来るのかな……

 ラストの台詞「シャドーハウスは間違っている」についても、館の仕組み自体は非人道でも、シャドーハウスであった全ての出来事が間違いだったとは思えない気持ちです。それこそジョンと夜空を見上げながら、生き人形として暮らすことと人間として外に出ることのどちらが幸せかを語り合ったように。そこは次へ持ち越しなんだろうね。

 流石に次が無いとは考えられない切り方だったので続編にも期待しています。どことなく説明口調で窮屈さを感じることもあったけど、隙を見ては差し込まれる力強さに心を動かされる時間でした。……簡単に赤面するリッキーと、奥手なパトリック様のいじけるところも好き、あのときにしか摂れない脳の栄養があるね。

 

てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!

 7話のラスト手たたいて笑っちゃった。今期は『てっぺん』『ちみも』『邪神ちゃん』で命を繋いでたほど見やすくて楽しい時間を過ごしたアニメでした。

 このアニメ原作漫画*6とお話が全然違うんだね。お笑い界の頂点を目指す少女たちのストーリー!と聞いて思い浮かべたのはむしろ漫画の方のイメージでした。アニメ化にあたってお話を組み直すかの判断があるのすごく良いよね、アニメ化のあるべきは原作をなぞることじゃなく物語の再解釈だと思うから…… 彼女たちの本業は「笑わせること」で、アニメはネタを披露する形で笑いに焦点を当て直したのが良いところでした。

 とはいえ漫才をアニメ化するのってかなり難しいです。漫才には台詞を読む以外にも、生の人間らしい動き、視線、間の取り方があって。そこに絵を合わせれば下手で単調、背伸びして不気味に見えるものと思います*7。その上で面白いと思わせるのは相当ハードルが高く、現実の漫才でさえ「あの人らは面白くない」と簡単に言われてしまうのにも覚えがあります。

 それに対して『てっぺん』は、日常コントをすること、テンポの良さで勝負できるところが見事でした。立ち漫才で喋るのは最初と最後だけで、残りを日常の舞台にすればアニメの得意な分野で絵を動かせるね。また言葉選びが考えられていて台詞は終始リズミカルな聴き心地でした。本物の漫才師もネタ作りするとき語感まで研究してるのかな。テンポの良さはアニメでは『まちカドまぞく』の一強と考えていたけど思い直すようでした。ラップ調のOPもテンポを武器にするスタイルの一端に思います。

 

 どの回が好きだった? 5話とか面白かったよね、シンリャクシャがバスに乗る回。今までのハイテンポな漫才だけじゃなく、あえてテンポを外す漫才も出来るんだってびっくりしました。5話を筆頭に誰かがボケたとき「それは○○やろ!」って心の中でツッコんで、たまーに当たるのも楽しかったです。5話のループ世界みたいに現実のコントでは"てい"でしかない設定もアニメなら本当にできちゃうのがまた面白いよね。段ボールじゃないお城だって建てられるし、宇宙人は居るし、全壊したタカコ荘が元通りになってもいい。『てっぺん』は決して現実のコントの後追いではなく、アニメならではの新しい面白さが生まれて見えました。

 バラエティ番組やお笑い芸人のオマージュも楽しかったね。天井から降りてくる出川哲朗さんとか、ネクタイで長さを測る池乃めだかとか、銅鑼を鳴らすのはかまいたちかな。普段別のアニメの似たシーンを思い出すことはあっても、リアルな番組を思い出すのはなんだか新鮮でした。脳の違うところを呼び出されるみたい。オマージュの全てを追い切れたわけじゃないけど、分からなかったとしても元々のネタが面白いから問題ないね。

 すっごく想像だけど、よもぎちゃん業界で売れたら食べていけそうじゃない? 何事もマルチにこなせそう。最近は芸人さんもネタが面白いだけじゃなく、司会が上手いとか、料理が出来るとかあるもんね。よくロバートの馬場さんがやってる料理動画見たりするよ。

 

はたらく魔王さま!!

 待ち望まれた2期でした。1期の放送は2013年春~で約9年越し、思い入れの深いタイトルです。私は初めて自由に深夜アニメを見られるようになったのがこのクールでした。

 ついつい見たくなるアニメでした。正直なところ1期の内容はあまり覚えていなかったのに、いざ見るとそういえばそんなことあった!って思い出せるからすごいよね。どこに蓄積されてるんだろう。

 アラス・ラムスちゃんの登場はしっかり原作ストーリー準拠らしいよ。よく続編のオリジナル展開で突然現れた子供を育てるためにドタバタ……!的な、当たり障りのない話に流れるのは本来ならコケる黄金パターンに思います。だけど庶民派ファンタジーを掲げる本作なら子供が現れる展開もきちんと雰囲気に合っていて、子煩悩な真奥さんも、無意識なりに母親の仕草をとるエミリアさんを見るのも楽しかったです。

 止め絵の中でもアラス・ラムスちゃんだけはじわじわ動いてるのが良かったよね。子供ってどんなときもジッとしていない生き物だと思います。きっとこのお話で一番大切にするべきものは子供で、それは真奥さんたちの目線だけじゃなくアニメ全体から意識が向いていたのを感じます。

 印象的だったのは4話、ガブリエルが不法侵入してきたとき。エミリアさんは先に剣を取り、真奥さんは子供を抱えてから距離を取るんだね。細かいところで子供に対する思いの違いや、仕草に至ったこれまでの生き方の違いが見えるようで面白かったです。もちろんエミリアさんが子供をどうでもいいと思っているのではなく、この4話の時点からアラス・ラムスちゃんが段々と大切な存在になっていく過程を描いたアニメだったのかなと思います。

 温かいホームコメディをしながらも、魔王と勇者は簡単には相容れないことも並行して語られていました。特にエミリアさんから見た真奥さんはどんな理由があっても故郷を焼いた怨敵に違いなく、アラス・ラムスちゃんのためとはいえ両親を演じて仲良くしていていいのか?ぬるま湯に甘えていないか?と何度も自問自答する姿が目立ちました。

 そういう意味ではエミリアさんを中心に、子供という大切な存在を得て、少しずつ出来事を積み重ねて、この笹塚で魔王と共存できるようになるまでのお話でもあったのかなと思います。本当に心からそう思える日が来るかは2期よりもう少し先の話になるのかもね。

 エミリアさんの周りで千穂ちゃんと鈴乃さんが仲良くしてくれるのもすごく好き。相談に乗ってくれるし、真奥さん芦屋さんたちがいつものアホやってるのを見守って一緒に笑ってくれる。エミリアさん普段は眉間に皺を寄せてる人だけど、皆と話したりアラス・ラムスちゃんを前にすると本当によく笑うよね……

 

オーバーロードⅣ

 4期はすごかったね……終始アニメ側のペースに飲み込まれて見ていました。絶対的な力、そして力無き者が見せる彼らなりの強さや、無様を晒す姿さえ美しく見える。

 今振り返ると1話の頃のコメディタッチと13話の支配者ぶりで雰囲気が全然違うよね。序盤はそういえばこんな軽さのあるお話だったな~と思い出して、身構えないまま次々に見てしまいました。話数の間に切れ目が無くテンポもゆっくりで気楽に眺めていられる感じ。

 序盤の舞台説明として、4期は魔導国とその周辺の国同士のお話になること。アインズ様の要求は他プレイヤーと交信すること、ないしはかつての仲間と過ごしたような幸せな時間を取り戻すこと。あたりが示されていました。少しずつ形を変えながらも、アインズ様が何をもって喜ぶのか、はたまた喜ばないのかはお話の中で最後まで一貫していました。

 お話がダレないうちに3話で爆弾回があるのが良かったよね。「ぶおーー!!がんばえーー!!!」のところ、めちゃめちゃ笑っちゃった。誰よりも賢くて、誰よりも人間臭くて、ストレスで脱毛症まっしぐらの人。全力で狼狽する櫻井さんの演技を聞けただけで4期はウイニングランをするつもりまでありました。闘技場でのアクションも超絶に冴えてたね、このあたりで4期はやるぞという覚悟を見た気がします。ジルクニフさんの判断は早計に見えたけど、結果的に自国を守ったことには変わりなく、やっぱり優秀な人だよね……と思います。属国なら少しは肩の荷が降りるんでしょうか、幸せに生きていてほしいな。

 圧倒的な力を持つ主人公がそれを行使する……というお話は今やありふれているし、特段好きでもないですが、このアニメに関してはなぜか面白いと感じてしまいます。はっきりした理由は分からないけど、例えばアインズ様が心から良い上司に見えること、ナザリックをまとめるパパが出来ていること、力を振るう自体は本人の幸せに繋がらないことが頭の片隅で信じられているからかもしれません。もちろん無双で得られるインスタントな快感にも需要はあるけど、それとは違ったところに本作の面白さを見ていた気がします。

 8話はまた大騒動だったね、フィリップさんの軽はずみな行動のせいでえらいことになっちゃった…… たった一人のせいで責任は王の首まで発展して、事実王国は滅んでしまったもんね。ちなみにフィリップさんのような小悪党でさえ偉い地位に就いてるのにも連綿とした背景があるらしいよ、設定周りが好きな人は色々と調べてるだけで一日過ごせそう。

 ザナック王子がまたいい人だったよね……容姿に恵まれない、カリスマ性も無い、王の器には半歩足りない人だったけど、勝てないと分かっている戦に兜の緒を締めるとか、死の支配者を前に毅然と弁を振るう姿は間違いなくかっこよかったです。威圧感ましましのアインズ様と対峙してその凡庸さを見抜くのは並の人間じゃないよね。何だかんだで王国屈指の切れ者だったし、皮肉にも人望の無さが災いしたとはいえ、彼の首を身内で取ってしまうような腐った王国の行く末などたかが知れているのでしょう。

 12,13話はいよいよ王都侵攻。もしかしたら1話分の時間でも国を滅ぼすだけの力はあったかもしれないけど、4期全体をじっくり使うと曲がりなりにも数百万の人口を抱える"国"が輪郭を帯びてくるね。滅ぼされる者にも一人一人の生活があり、単に国や人という記号を征するのではないリアリティーがありました。特に今回のリ・エスティーゼ王国なんて4期よりもずっと前からの舞台で、この時間の使い方が出来るのは長編ファンタジーの特権かもしれません。

 ところで守護者で誰が好き? セバスを除けばコキュートスが結構好きです。もしもゲームで忠義あるアバターを何人か作るとして、人型に紛れて1体くらい2m超えの化け物がいてほしくない? 創造主の人とは話が合うかもね。

 そんなコキュートスに勝負を仕掛けたブレインさんの立ち合いが12話でした。勝敗は明らかだったけど、その後コキュートスがゆっくり……と道を回り込むのが良かったね、侵攻をあの時間だけ遅らせたことがブレインさんの功績であり、戦士に払われた敬意であり。ただ裏を返せば命を賭してたったそれだけしか爪痕を残せない。ブレインさんが人間である限り、絶対的な力の前にはあまりにも無力なのがこのアニメでした。このシーンOP版も好き、煙を吐いて立ちはだかる真に強大な敵って感じする。

 クライムさん、ブレインさんもずっと好きでした。純粋な物語の主人公感、きっと生まれてくる世界さえ違えば立派に勇者をやっていただろうに……。13話はクライムさんが言いつけを守って惨めに敗走するシーンも印象的でした。子犬みたいで可愛い、と思ったのはラナー様の目線に入り込みすぎなのかな。"滅国の魔女"のサブタイトル通りほぼ全てはラナー様の手の内だったエンド。台詞にあった「食べ物に入れる毒の手配や……」ってなに?と思ったら孤児院にシチュー作りに行った時のこと言ってるんだね。クライムさんが守ろうとした王国の民はクライムさん自身が悪魔に堕ちるための贄に使われたんだ……

 序盤のギャグから終盤の風格まで、見やすくて面白いを地で行くアニメでした。次は劇場版かな。今回で1期からお馴染だった人の大半は征してしまった気がするけどこの先どうなるんだろう。楽しみです。

 

Engage Kiss

 シュウくんのプライバシーはもうボロボロ

 夏クールきっての優等生アニメでした。恋愛にもコメディにもシリアスにも手を広げるのにどこを取っても面白い、世間的にもっと有名になっても良かったよね。

 はじめにすごく見やすかったです。ストーリーは何となくでも理解できるほどに整理され、かつ単調ではなく、盛り上がりの波や心理描写も楽しめました。アニメーションも派手さに加えて視線誘導・印象付けが決まっていて自然体で視聴できる。その見やすさから、春クールが終わってしばらくは『Engage Kiss』と『神クズ☆アイドル』だけを見続けていた思い出があります。"ヤンデレ"や"記憶喪失"といった素材の味だけが強いのではなく、物語としてしっかり楽しめるアニメだったのが感想として大きいです。

 1話前半の掴みがばっちり、クズなシュウくんと愛が若干大きいキサラちゃんの共同生活。ひたすらに愛に身を捧げられる人ってなんだか尊敬しちゃいます。キサラちゃんは気立てが良くて、よく働いて、容姿にも気を遣って。その先で包丁を取ることになるかは結果の一つでしかないね。好みな雰囲気のアニメが始まった気持ちでした。

 1話後半はまた印象が変わりました。モンスターが現れたりピッチリ戦闘服が出るのは視聴層をどこに設定してるんだろう……と一瞬思ったり。だけど面白かったのは、このアニメいつも刃先を敵と身内に向けて戦ってるんだね。そりゃそうだ、モンスターなんかより始末しといた方がいい存在は人の形で隣に立ってる。戦闘シーンはシュウくんを渦中の人にした女同士の意地の張り合いとも見られて、アクション自体に興味がなかったとしても24分を余さず楽しめる作りになっていました。もちろん派手なバトル展開が好きで見ていた人もいるはずで、なんだか二兎を追い二兎を得るようなアニメだったなと思います。

 違う嗜好の人たちが同じアニメを見ていられる……とまで言うと大げさだけど、たとえば作中のカツ丼屋さんもいいシーンだったと思います。なんだか難しい話をしてるシュウくん・刑事さんに対して、どうでもよさそうに別のことをしてるキサラちゃん。こういう場面は何回かあったね。事件を前にお話の整合性が気になる人は会話に集中してもいいし、細かいことはいいから人物や感情の方が気になる人はキサラちゃんの目線に乗っかってもいい。

 普段はキサラちゃんに共感して見ることが多かったです。純粋で賢い子なのが回を追うたびに見えてくるの良かったね……シュウくんはどれほど器量のいい人に好かれてるのかもっと自覚して。

 キサラちゃんとアヤノさんの捩じれた友情も大好きです。お互いに心の底から嫌い合いながら、片方が本当に落ち込んだり病院に運ばれたら絶対に駆けつけてくれるような関係。恋愛をはじめに何か一つのことに依存する人がいるお話で、依存先以外で支え合える人が見えるとすごく安心してしまいます。それがどんな形であれ。

 屋台で肩を並べるところも良かったね、キサラちゃんの方が情報で優位なのにあっさりとバラすのはびっくりしました。敵の女だろうと自分の立場を利用したり出し抜かないの本当に好感度高い。ただしピュアだけで通る戦いじゃないのも事実でした、アヤノさん隙を見てシュウくんとやるところまでやってるし……あのときのキサラちゃんよく許したよね。その瞬間の記憶を吸うのは一番不愉快なシーンを自分に取り込むことでもあり、やってることが息子の不始末を後片付けするお母さん。シュウくんもクズ加減を責めるとかの段階ではなくなってだんだん哀れな人に見えてきたね。シュウくんは本当に軽率な人だけど危険な場所でも絶対に来てくれるし、大切な質問にはきっちり返してくれる人だから……

 シュウくんを手籠めに出来るチャンスはいくらでもあったのに、キサラちゃんはそうしない。きっとキサラちゃんの行動指針の一番は徹底してシュウくんを思いやることで、彼を手元に繋いでおくのは二番目に大切なことなんだと思います。愛の形も人それぞれで違って見えました。

 どうせ行くのを見越して彼を戦場に送ったキサラちゃんと違って、アヤノさんの一番は「シュウを死なせないこと」なのがまた良いよね。人の身に過ぎないアヤノさんはせいぜい数十年しか生きてないから、そこでキサラちゃんと意見の対立が起こるのはどちらにも正義が見えました。もしもラスト直前で病室に居たのがアヤノさんだったら無理にでも二人で街を出ていたのかな。

 終盤はお話が重くなる時期もあったけど、ラストは明るく終えられたのが心に良かったです。やっとEDを笑顔で聴ける。最終回もラスボスの最大の武器が涙だったり、斬る場所がややピンポイントだったりでバトル展開に+して面白かったです。ほんとに派手な痴話喧嘩してるだけなんだよね。あれだけスケールの大きいことをしながら、妹ちゃんを家に迎え入れ、お話が身内の枠へ閉じていくのも収まりが良かったです。100%純粋培養のお兄ちゃん大好き妹ポジション……おそろしい子。戦いの舞台が家庭内に移っただけで問題は解決してないし、衛星砲も裸足で逃げ出すような仲のいい修羅場がこれからも続くんだろうね。

 最後にすごーく好きだったのがアヤノさんがシャロンさんに悪態つくところ、世界一美しい靴投げが見られるアニメ。こういう仕草のチョイスや描き方も抜群だったなと思います。

 

賭ケグルイ双

 Netflix独占配信、本編より1年前が舞台のスピンオフ作品で早乙女芽亜里が主人公のお話。「双」ってツインテールの意味だけじゃなく、双六<スゴロク>の「双」なんだね。

 同じギャンブルでも本編とはまた違った雰囲気があるストーリーでした。蛇喰夢子が相手の一番大切なものを賭けに引き摺り出し狂ったギャンブルをする獣なら、早乙女芽亜里はただ勝ち組になるための手段としてギャンブルを利用する人間。破滅的というよりはシンプルな頭脳ゲームになっていた印象です。特に主人公がお人よしなだけに"仲間"や"信頼"という言葉が戦略の土台にあって、そこからの裏切り、疑心暗鬼、起死回生といったところが一つの見所でした。

 一方で本編と同じく、鬼気迫る表情、毒気の強い演出は健在。強烈な刺激で本能に問いかけるスタイルは一貫していました。話数の早いうちから生志摩妄が出たときは、うわぁこのアニメが始まった……と思ったよ。あんな癖の強い人はそうそういないから……*8

 ゲームのルール説明があるたびに、確かにイカサマの余地なんてない運勝負だね!って思っちゃう。種が分かったのは騒音で誤魔化してダイスを入れ替えたところだけ、それもさらに裏の裏まで手品が隠されていて。毎回素直に騙されていました。あれせっかく仕掛けを用意しても学園の人たちの頭が良くなかったらスルーされそうだよね。生徒会長泣いちゃう。

 3,4話はちょっとしんどかった……性をギャンブルのリスクに賭ける話。相手側の憚ることなく鼻息を荒くする人を見て生理的ラインがギリギリでした。ただ4話の引きはすごく良かったです。遊技場と同じ対面のテーブルでひたすら無言のまま、片や肉をもりもり食う女衆、片やゲンナリする男衆。恋愛ゲームの湿ったやり取りを全部台無しにしてくれる感じが爽快でした。あの状況でもパンをかじれるの良くも悪くも空気読めない人っぽいよね……

 早乙女芽亜里がスカッとして好感の持てる人だった分、周りの人でなし具合が一層際立つアニメでした。主人公以外で好きになれる人はあまりいなかったかも。1年前ってことは本編に出てない人はこれから蒸発することがほぼ決まってるんだよね。この学園で生き残るには賢く狡猾な人にならなきゃいけないし、そのためには人間性なんて邪魔かもしれないけど……情に厚い芽亜里ちゃんが守りたいと思った人が一人でも生き残ってくれたらいいな。

 

リコリス・リコイル

 人間らしく動いて話す人たちと、その魅力を最大限に引き出したアニメーションをじっくりと眺める視聴でした。ちょっとした1カットにも発想と魅力が詰まってる。夏クールでは1話分の視聴に最も時間のかかるタイトルになりました、もしリアタイで見ていれば目の前を大量の情報が駆け抜けていく30分になっていた気がします。監督は『ソードアート・オンライン』シリーズの作監など。雰囲気が繋がっているかは分からないけど、主人公の千束・たきなは性別は女の子でも、お話の上ではむしろ少年っぽさを感じることが多かったです。

 まずびっくりしたのが声の演技です、あまりにも自由で。スラング気味な台詞選びや声優さんが上手いのはもちろんだけど、それにしてもアニメでは中々聞かないニュアンスだなと不思議でした。色々とインタビュー記事を調べたところ、あれ台詞を変えてもいいから自由な芝居をさせて、その上で時間を取って絵の方を修正しまくってるんだって。すごい。普通この台詞は何秒ってキッチリ調整してもらうものと思ってたけどそんなことも出来るんだね。実際に声の生っぽさはすごく親しみが持てて、キャラクターより人間らしさに一歩近づいて感じられました。

 細かい単位でもこだわりを感じるアニメでした。たとえば千束のこのカット、太って見えることを避けるならあまりやらない映し方だなと目を引きました。どちらかというとリアル志向のイラストチックな描き方。アニメの記号的にお腹周りをキュッとしないだけでも、目の前にいる人間の質感と、なにか絵に対する自信も感じるようでした*9

 人によって見せ方はそれぞれで、くるみちゃんならデフォルメが多く入るのも好きでした。頬がぷにっと可愛いと喜ぶからね……我々は。一度くるみちゃんのことをピカチュウって呼んでしまってから脳内のイメージが引っ張られています。それから喫茶リコリコの店内もすごく好き、元々お城みたいに大きい建物をさらに広く映す感じ。騒がしい人たちが自由に動き回るにはこのくらいスペースが要るかもしれないし、何よりあのお洒落な喫茶店で過ごすのは楽しそう……と思えたことが、殺人兵器でない千束の暮らしにも当てはまってくれてたらいいなと願ったり。

 各話最後の10秒間、ここの功績は計り知れないのでしょう。特に重要な場面ではないけれどインパクトは抜群。世界観やガンアクションとは別に、小さなじゃれ合いが楽しいアニメでもありました。深夜アニメながら人気タイトルになったのにもかなり影響していると思います。忙しい現代人でも10秒のトピックなら見られるもんね、何かで目にして気になった人が1本30分のアニメを見始めてくれれば値千金です。

 そういったところも含めて、今の人たちが何に興味を持ち、どんな習性があり、世間で"尊い"と言われるものは何で、どういう一手を打てばウケるのかまで熟知している人の筆跡を感じました。ここは視聴感の分かれるところにも思います。流行り物の一つに見える人がいるかもしれないし、バチっとハマって墓まで持って行くアニメに選ぶ人もいるかもしれない。

 それぞれの見方があった中で、心臓の話が始まってからはまた面白かったね。世間の人たちが困惑するのに反比例して深夜アニメハンターたちはどんどん盛り上がっていくのを体感しました。最近は誰が書いたのか"心臓アニメ"で検索すると記事が出て来るらしいよ。「心臓が逃げる!」とかシリアスな場面で急にパワーワードと衝突事故起こして笑うしかなかったもんね。

 特に好きだったのはどこだろう、10話の晴れ姿のシーンが好きでした。成人まで生きられない人に贈られるせめてもの餞別、その表情が年端も行かない少女のものにしか見えなかったときがどうしようもなく胸に刺さりました。ミカさんは「すっかり大人の女性だ」って言ってくれるけどそれはきっと……

 ミカさんたちの嘘がなければ千束は周囲を恨み八つ当たりする性格になっていた、それは嫌だった、と千束が一度否定して見せたところに気持ちが休まりました。このアニメの千束はどこか聖母的で、色んな物事が千束の許しで回って見えることが多かったです。ミカさんは罪の重さを告白し、悪人は撃たれても死なず、たきなは乳枕を避けずに受け止めてもらえる。それは余命を知る人の諦観かもしれないけれど、一人の少女の身には重すぎる役割にも感じて。本来はもっと等身大に怒ったりしていいんじゃないかと思っていました。だけどミカさんへの言葉を聞いて、今の性格だって本当なこと、大人たちの嘘の一つは確かに千束の幸せを支えていたんだと信じられました。

 錦木千束という人にきっと誰もが好感を向けるアニメで、この人が幸せでいることを願ってしまう、それだけに気ままな土地で自由に生きてくれるラストが嬉しかったです。もちろん誰よりも千束に好意を向け強く気持ちを代弁してくれたのはたきな唯一人なんだろうね。そういえばリコイルってどういう意味?改めて思い返すと、"銃の反動"以外に"機械で動く千束の心臓のコイルを巻き直す"って意味でもあったりするのかな。

 

ちみも

 ちみもたち~ 集まれ~

 リコリコが世間で人気なら『ちみも』は近所で超人気。大好きなアニメでした。一応CGアニメになるのかな……?制作はシンエイ動画、家に居候するキャラクターって意味で実は『ドラえもん』や『忍者ハットリくん』の後継者らしいよ。今作で居候するのは地獄からの使者。(10/23追記:制作の実態はほぼ協力にクレジットされている海外スタジオの方らしく、ニュアンスはディズニーのようなフルアニメーションが近そう。)

 日々のちょっとした嫌だったことも、ちみもがいれば笑いに変わっちゃうね。見た後いつも満開の笑顔でいられました。何となく先読みでこういう展開になって地獄じゃ~でオチが付くんだろうな~と想像しても、本編にはいつもそれ以上の大きな幸せを返されてしまって。もう目尻が床に着いちゃうよ。

 好きな話はたくさんあるけど特に6話「地獄マター」「しあわせ地獄」が好きでした。前半は身近すぎる失敗のお話、Wi-Fi繋がってないまま動画見ちゃったとか、油断した格好で外に出たときに限って人と会うとか……ほぼ全部やったことある。あれ現実で不幸に遭遇したときも物陰でちみもが回収して有効活用してくれてるらしいよ、みんな気付いてないと思うけど。

 ここまでなら"あるある"に共感してやっぱりこの世は地獄だね~で終わるところ、それで済まないのが『ちみも』だね。後半は倍にして返すようにしあわせが続くお話、見ていてもう笑顔なのにしあわせラッシュを止めてくれないのはまさに地獄。このアニメ地獄さんが美味しいもの食べて幸せそうにしてるとすごく嬉しいよね……

 地獄さんが先輩に嘘の報告をし続けるの、あれが一番ヒヤヒヤしました。溜まりに溜まったツケが後でとんでもない事になりそうで。だけどそれすら6話で一旦免れて、12話では完全に大丈夫になっちゃうもんね。良かったね地獄さん。

 見てくださいこの魑魅魍魎たち、かわいい~~~ あのモチっと伸びる感じがたまんない。ツバサがちびトラをぶら下げるところとか、ツバサ自身も重みで形が変わってちびトラもお尻がぽてっと下がるんだよ。他にも「ネコちゃん地獄」とか可愛さの暴力×暴力みたいなもの、でもこのアニメは地獄がテーマだから暴力には縁もゆかりもあるね。おつかい回でおもちに財布持たせるところの弾力も大好き、ここエンドロールでもう一回流れてうれしかった……

 このアニメに限って最後だけシリアスになる訳なんてないと分かっていても、恥ずかしそうに出て来る地獄さんを見た瞬間泣きそうになっちゃいました。地獄さんが鬼神家にとって大切な人認定されてることが三姉妹の台詞の端々から自然と伝わってくる感じも本当に嬉しかったね…… 夏の生きがいになったアニメでした。

 

アオアシ(第2クール)

 ほっぺすりすり大友さん可愛い

 葦人さんがやっとエスペリオンの一員として良い面構えをしていられるようになったね。1期の感想はここから。

anime197166.hatenablog.com

 始めは葦人さんのポジション転向のお話、最高潮だった1期ラストからまたドン底に突き落とされるようでした。ユースメンバーが落ち込んでる葦人さんに気を遣って優しくしてくれるのすごく良かったね……そういう人間らしさをもっと見たいよ。サッカー選手にとっての転向がどれほどの事態かはピンと来なくても、あの理屈屋たちが揃ってメンタルケアに回るくらいだからよっぽどのことなんだと感じられました。葦人さんの貼りついたような笑みが阿久津先輩にそっくりだったよね……もしかして2期序盤のような絶望から無理を通し続けた人が阿久津先輩なのかな。

 その阿久津先輩に頭を下げられる葦人さんには本当にびっくりしました。皆から貰った温かさがそんな勇気になるなんて……! 作中最凶の人に怯まずにいられるなら、もう並大抵のことでは心が折れなそうな気がして。2期を割と安心して見られたのはここの影響も大きかったかもしれません。

 序盤でちょっと面白かったのが栗林選手のインタビュー。顔芸が……じゃなくて、超人の中の超人だからこそ、つまらない質問には見透かしたような目を向けるの。そんな人嫌すぎる~~ でも何かの分野を煮詰めた世界には絶対そういう態度の人もいるよねって、不思議と腑に落ちる感覚がありました。

 プロの厳しさは2クール目も健在でした。今回よく出たのは「絞り」という言葉。基本の「絞り」さえ出来ればいいよ~と言っても全ての極意はその2文字に詰まっていて、全然絞れてねーじゃん!って怒られるのがいかにも凡人のついていけなさを感じました。しかも何度も「絶対にスペースを空けるな」と聞かされた後、次の回では「状況を見てスペースを空けてもいい」って言われたら混乱しちゃうよね。サッカーに限らずとも覚えのある話だと思います、そりゃ出来る人にとっては当たり前かもしれないけど……って。葦人さんのいる世界ではこういうとき、人の話も参考にしつつ、結局は自分の頭で考えられなければ生き残れないんだね。

 

 中野さんがサッカー続けてる……!! もう本当に嬉しい、見ていて思わずガッツポーズでした。中野さんは1期から好感度のあった人で、予選落ちした後も生きていてくれればいい、端役でもいいから元気な顔がまた見たいなと思っていました。それがユースに立ちはだかる最大のライバルにまで成長して帰ってくれるなんて……立派になったね。

 vs武蔵野高校編はメンタルの戦い。「Jユースは高校に比べてメンタルが弱い」って現実のサッカーでも似た問題を言われてるらしいよ*10。闇落ち金田さんの変わり様に最初は笑っちゃったけど、そこからの執念深さ、壁に当たったときの弱さ、仲間とともに戦う姿、と花形エースストライカーの雄姿を見届けられました。金田さんがヒール役なのも込みで、武蔵野の司令塔をはじめにチームで支え合える関係が良かったよね。もちろんユースも補い合うけど、それはあくまで戦略上の意味が大きくて。今までのユースに無かったメンタル面での強さが個・集団ともに浮き彫りに見えて、競り合う相手として相応しく感じられました。武蔵野は決して負けるためのチームじゃないね。ところで金田さんと冨樫さんが一緒に映ると強面同士で別アニメみたい。

 武蔵野戦の橘さんも良かった……こんな生真面目で責任感の強い人がプロの厳しさに揉まれたら無事じゃ済まない、派手に壊れてしまうんじゃないかとずっと心配でした。橘さんはなぜか顔立ちが幼く見えることが多く、どこか子供を見守るような目線もあり。橘さんも仮に試験に不合格なら武蔵野サイドに立っていたはずの人間で、その人がユースに欠けていたものを持ち込んで埋めてくれるのはやっぱりチームのバランスが良いんだろうね。

 試合中、コートの外からカッと目を見開く瞬間があるの良いよね。スポーツアニメには観客や解説役がつきものだけど、中でも『アオアシ』は福田監督や伊達コーチが極めて優秀な人だと分かっているわけで。そんな人を刮目させるほどのプレーを葦人さんたちはしているんだと興奮もひとしおでした。

 花ちゃんと杏里さんの目線があるのも本当に良かったね。『アオアシ』はかなり真面目な路線という印象が強く、何事も言語化し理論を立てて進むのが特徴的なアニメでした。だけどユースが超人集団であるほど私たち一般人が同じ目線でサッカーに向き合えるとは限らず、ともすれば「頭のいい人がなんかやってる」と他人事になる可能性もあったと思います。そこに2人の存在が大きかったです。

 まず花ちゃんのようにサッカーを知らない人がいて、最後まで知らないまま、選手たちとは別角度からお話に関われるところに親近感を持てました。自分を追い込んで苦しむ選手たちを見ていると、口に出しづらいとしても「たかがサッカーじゃないか」って言いたくなっちゃう。そしてその気持ちは確かに花ちゃんが代弁してくれて、葦人さんも救いの言葉として受け取ってくれる。こういう、サッカーをしない人の気持ちもお話に組み込まれていて、きちんと居場所が作られていたのがこのアニメに思います。

 決定的だったのは最終話の「サッカーは劇場なんだ」って目線、花ちゃんの見ているサッカーは葦人さんたちのサッカーとは全くの別物で、もし黒田さんあたりに語れば笑ってあしらわれるものだったかもしれません。でもそういう目線があっていいじゃないですか。楽しそうにサッカーが好きだと話す姿は、専門用語を語れなくてもそれ自体が美しく守られるべきものです。ひいてはこのアニメもサッカーを知らないから楽しめないのではなく、どういう好きの形を持って臨んでもいいんだと思います。『アオアシ』で大切なのはさらにその先で"考え続ける"ことなので、その振舞いは花ちゃんなりに悩む姿にも一貫して見えました。

 じゃあ理屈に興味の無い女子供は試合から離れて観劇するように見てな、って言われたらムカつくよね。そうじゃないことは杏里さんが雄弁でした、男子サッカーという分野を前に、役者じゃなくても選手と同じ目線で好きなものを追究してもいい。冨樫さんが「お前サッカー好きなのなー!」って分け隔てなく説明してくれるの本当に嬉しかったです。杏里さんも分からないなりに自分でものを考える人だし、冨樫さんも下に見てレベル0のレクチャーを与える*11ような人じゃない。そういった関係は自分の身の回りでもすごく大切にしたいなと思っています。

 20数話を通し、葦人さんはエスペリオンの天才たちと会話が噛み合うようになってきて、やっとお互いに未熟なところもある人間だと打ち解けられた感じが好きでした。そこに辿り着くまでの長く辛い時間をよく辞めずに続けてくれたよね。それも上にいる人たちが一般人に降りて来たというよりは、彼らにも彼らなりの弱さがあると認識できるようになったところまで含めて、葦人さんが一歩ずつ階段を上がっていったんだという実感が大きいです。

 すっごく続きが気になる……原作を買った人も結構多い気がします。次は葦人さんたちがAチームに上がってからのお話だよね。アニメの範囲だとプロの始まり、ディフェンダーの始まりと乗り越えてきました。だけどこの先はAチームの人の生まれ持った才能とか、しばらく続けて思い知る頭打ち感……とか、首のもげるような高い壁はまだまだありそう。ただ思い返せば、それは2期の最初で監督が葦人さんにズバッと言い渡した内容に通じることでもあるんだね。当時は監督を恨んでいた葦人さんもいつか腑に落ちるときが来るのかな。

 

メイドインアビス 烈日の黄金郷

 リコさん隊に託されるものがまた増えちゃった……。1期は例の治療シーンにショックを受けて布団で震えながら見ていた思い出があります。劇場版の2期をはさんで3期は深界六層のお話。

 間違いなく年間トップにあたるアニメでした。その上で正直にいうと今回は1期以上に嫌悪感を伴う視聴になりました。性器を模した村の扉、子が仔を産み苦しむこと、冒涜されること……どれもが簡単に受け入れられるモチーフではなく。それでも欠かさず見進めてしまうのは、この原作とアニメに鮮烈な美しさを見出し、その魔力を求めてしまうからなんでしょう。

 難読なアニメだったと思います。正確には大筋は整っていて理解できるのですが、一度気になったことを追い始めるとどこまでも考え込んでしまうようなお話でした。少なくとも肝となる村の成り立ちについてはある程度きちんと見ておく必要があり、最終的に(なんでファプタは怒ってるの?)で終わらせた人もちらほら見かけた気がします、それはあまりにも惜しい。幸い有名なタイトルなのでしっかりした感想も多く、視聴後はよく頼れる筋のサイトを巡って自分の解釈を補完しながら見ていました。

 この世界のことは大穴を降りた日から一般的な感覚では測れず、代わりにアビスの常識が求められる。ここに直感的でない難しさがあるかなと思います。たとえばこの世界では「憧れ」こそが至上の命題で、それの前には人の形を保つことや生きていることさえ二の次になってしまう。1話からプルシュカはすでに笛の形だったけど、あれは遺品に想いを乗せて……なんてものじゃなく、ただ生きているレグたちと同じように一緒に冒険しているんだと思います。

 そういった考え方が当たり前にあるので、出来るだけ作品側に自分を寄せて見ようとしました。ところが深淵を覗くとき深淵もこちらを……と言うように、この作品性を理解しようとするほど、納得する気持ちとそれを許せない気持ちの間で板挟みになることが多かったです。引っ張れば抜けそうな関節、押しちゃダメなおなか……とかデザインが秀逸なのは分かっても、それが意味するところの性癖には触れたくないような。ファプタが無残に食い荒らされるところなら、己の使命を改め冒険家として生まれ直すためには最後に母と繋がったへその緒を引きちぎるような痛みが必要で……なんて納得しようとすれば、いやそんな道理があってたまるかと葛藤するような。一言にするなら"度し難い"なのですが、どこまで踏み込んで見るかは要相談だと思います。その先は闇しか無いのかもしれない。

 

 序盤の方は明るい雰囲気も多かったね。恒例の料理パートも好きでした、ああいう現実に存在しない食べ物って何を参考にして描いてるんだろう。成れ果て村も最初はなんだか親近感が湧きました、人生に疲れ切っちゃった人が余生を過ごすたまり場のようで。本当はとんでもない罪人の集まりだったけど…… 入口も出口も無い村、とは冒険を志すこのアニメの人たちにとって本当の意味で死を迎える場所なのかなと思って見ていました。

 坂を下る景色のシーンも出るたびに印象的、美しいものこそゾッとする怖さがあるね……3期は上昇負荷の関係ない舞台が続くから危機感も薄れるけど、あれは確かに闇への片道切符だもんね。序盤のガンジャ隊・リコさん隊は同じような構図を辿ることも多く、旅路は同じでも時間が違う、時間の中で変わり果ててしまったものがある(さらに進むと時間が過ぎても変わらないものがある)と思いを馳せる余地がありました。ガンジャ隊が成れ果てた姿になったことも変化なら、ファプタの立場からレグの記憶を失った姿もまた変化なんだろうね。

 一番好きだったのはベラフさん。聡明で、ただ可愛くてフワフワなものに包まれていたかった人。もっと正しくサンリオの世界とかに生まれてほしかった……。イルミューイの仔を食らうことに誰よりも抵抗があったのは彼だろうし、最初にイルミューイの産道に戻ることを選んだのも、自覚する罪の重さゆえに思います。はじめこそ"喫ミ"のインパクトに圧されたけど、成れ果てたベラフさんが身体の大半を手放してまで得たかったものがミーティなら、それは嗜好や贖罪も一緒にして、確かに価値のある選択だったんだろうな……と胸が苦しくなってしまいます。

 ベラフさんの大切にしていたものは"眼差し"だったから、今のベラフさんの瞳の位置にある器官*12に相手を睨みつける輝きが宿ること、瞳を通してベラフさんの記憶と遺志が受け継がれることに鳥肌が立ちました。先のようにこの世界では命よりも優先すべきものがあるので、瞳を無くした者は瞳を残す者へ、冒険する足が無くなった者は足を残す者へ、消滅する決まりだった村人たちの探求心はただ前進できるリコさん隊へ託され残り続けるんだと思います。

 ファプタがもう苦しいほど可愛いね……お姫様って呼ばれるのがピッタリ。「そす」の由来のところとかもういじらしくて悶えてました。血で血を洗う場面から回想に入って、100点の可愛いシーンが続いた後にまた戻ってくるのは違う意味で暴力的。そういえばレグがファプタをモフるのを「見境ねえな~」ってナナチが笑ってたけど、もしかして卵が先か鶏が先かの話じゃない……?

 全てが落ち着いた後、ファプタが涙を流せるのにもグッときました。イルミューイの「子供を産みたい」願いは「すぐに死ぬ子供しか産めない」という捻じ曲がった形で叶えられてしまったけど、それでも最後に産み落としたファプタは"不滅"である以上に、大切な人を看取って悲しむことができる優しい子だったんだね……

 暴虐の限りを尽くしたアニメだったけど、この六層まで来て希少な人間らしさを貫いたのはヴエコさんとイルミューイの最期だったように感じます。改めて1話を見ていると、かつてのガンジャ隊の中でヴエコさんだけは黄金郷を求めていたわけではなく、ただ逃避先が欲しかっただけにも見えました。先住民から追い出されたイルミューイと揃って、「冒険」という名の栄光であり呪いに囚われていない変な人だったのかもしれないね。ベラフさんの最期の場でも常識的な反応をしているのはヴエコさんだけでした。

 死んでも憧れは継承される、人の形でなくてもいい……なんてルールはアビスのものであって、そうでないヴエコさんには「イルミューイが人の形でいさせてくれた」ことや「パッコヤンが呪いから守ってくれた」ことが救いになりうるんだと思います。アビスを前にエンジン剥き出しにして進むことを輝きと呼ぶなら、暖かな闇を愛するのはきっと別の意味。だから2人はリコさん隊の旅に託されないし、共に行かない者にとって墓が意味あるものになるんだと思います。

 そこまでして求める冒険ってなんなの。探窟家たちを突き動かす衝動は未だに自分の中で折り合いがつけられない気持ちもあります。ただ奈落へ向かおうとする人たちはみんなスッキリした顔をしてるんだよね。それならとやかく言えることではないのかも。

 視聴が苦しかったのは事実だけど、本当に毎話レベルが高く映画を観ているようでした。特に10話は今年の傑作選でも上位に並ぶんじゃないかと思います。今回ファプタが仲間に……はならなかったけど、同行するかもという話もちらっと見たので、いよいよリコさん隊が奈落の出身者*13で固まってきたね。Made in Abyssってそういう意味なのかな。次はやるとしてもまた数年後になりそう、首を長くして待ちます。

 

東京ミュウミュウ にゅ~♡

 開始1分で口が輪郭を突き抜けるアニメ
 好きなアニメでした、気持ちはすっかり5才。幼心いっぱいのピュアな恋愛模様をキャーキャー言いながら見てました。いちごちゃんの恋路に関わるとなれば頼んでもないのに皆が協力してくれる感じ好き、乙女の恋は地球の危機にも勝る。

 本家の放送からは約20年ぶりのリメイク。さすがに当時のことは詳しくないけど、現代ではなかなか見られないレトロな雰囲気も含めて楽しめました。原作は少女漫画雑誌の「なかよし」から、創刊65周年の記念企画らしいよ。身の上話だけど、あの分厚い雑誌がよくデパートの一角とかに売ってたよね、あれが子供の時どーしても読みたくて。結局当時は叶わなかったけど、今になってあの頃の小さな願いが戻ってきたような気持ちで見ていました。

 このアニメがゆめ太カンパニー×グラフィニカ制作なのすごく良くない? こういう児童向きっぽい作風のアニメをやりたそうにしてるな~とずっと思っていました。TV放送じゃないけどゆめ太の『みちるレスキュー!』ってアニメを見て思うところがあったのと、最近だと『CUE!』の劇中作『蒼き谷のアルマ』も良かったよね。今作のちょっと古めでコミカルな雰囲気はばっちりハマって見えました。

 

 お洒落なカフェでケーキを売って暮らしたい~って憧れもあり、コレは今ならできないだろうな~って思う展開もあり。子供と大人が自分の中で同居しながら見ていた気持ちもあります。知らない人から突然キスされるとか今ならコンプラ案件になりそう。でも登場人物が本編の時点でそれなりにぶっ飛んでると、頭の中でその後自由に動かしやすいよね。妄想の力は無限大です。

 とりわけ青山くんは台風の目だったね、無垢で若干感情の大きい人。特に好きだったのはいちごちゃんをデートに誘おうとして、邪魔にならないよう仕事する姿を眺めて帰ったとき。ちゃんと気遣いできる人だし、好きな人の頑張ってる姿を追う視線、ほんの一言交わして心が通じ合うだけで心底嬉しそうな表情になるのがすごく可愛かったです。一方でよく話題になる3話、いちごちゃんに拾った猫の首輪を着けるのはインパクト強すぎてびっくり。束縛系だ……?!

 これを機に2002年バージョンも見たのですが、コメディの動きとか細かいところまで本当によく拾ってるんだね。あの2次元っぽく固まったポーズのままスライドして退場するのとか。逆に、今風のふにゃっとした表情が入ったりするのも楽しかったです。あの目が線になる表情はどこかで見たことあるね……。単なる前作の焼き直しという以上に、リスペクトするところは拾い、新しい解釈も加えて、確かにこれはリメイクなんだなと思うところが大きかったです。

 気軽に見れると思いきや、アクションや変身もゴリゴリに動かし続けているパワフルなアニメだったと思います。もちろん多少のムラはあるにしろ、その場面がどれくらい重要かがきちんと判断され、ここぞという決めのシーンは見入るほどに美しかったです。バストアップのカットとか本物の朝アニメみたい。

 OPとEDも大好き。頭の中で一日中駆け巡った日は数えられないです。あのジャンプして足をカカカッってやるの良いよね、今後もうどの新作アニメでも見られなそうな動き。

 このアニメで2期があるの本当に嬉しいね、当たり前のように1年くらい続いててほしい……。2期は予想のつかないところも多いけど、キッシュくんとかどうなるんだろう。登場こそヤバい悪役だったけどだんだん脆さが隠せなくなってきてるよね。あの人の弱さを知ってるのは自分だけ……って視聴になっちゃうのかもしれない。白金さんも猫の姿になった時いちごちゃんと明らかに関係出来ちゃってるし。春が今から楽しみです。

 

ラブライブ!スーパースター!!(第2クール)

 修羅場でも何にも考えてなさそうなきなこちゃんの顔好き。

 2クール目も楽しめました。前回の地区大会敗退をバネにして、今回は勝ちにこだわるお話。新メンバーの1年生と上級生の間で力量の差に悩む姿も印象的でした。

 スパスタはなんだかシリーズ初期の雰囲気に戻ってきた気がするね。直近で放送した虹ヶ咲を引き合いに出すと、あちらは「個人を大切にする / ラブライブには出なくてもいい / 夢を気楽に始められる」と現代的な話だったのに対して、スパスタは「集団を大切にする / ラブライブ優勝を目指す / そのためには厳しい努力も必要」と古典的な流れを感じました*14。今の世間に伝えるテーマとしてはかなり難しい試みだなとは思いつつ、それを扱う手付きの繊細さには頭一つ抜けたものがありました。心なしかギャグのテイストもちょっと古め、かのんちゃんが驚くときドヒャ~~!ってリアクション取るの何回見ても好き。

 他シリーズとは違うスパスタ特有の雰囲気もあって、1期のメンバー5人は元からそこそこ出来る人たちが集まっている印象が大きかったです。いわゆる"平凡な子"がアイドルを目指すというよりは、最初からレベル50で冒険が始まるような感覚。歌やダンスの技術面だけでなく、可可ちゃんのように熱い情熱を持てること自体も羨望の対象になりうるのかもね。

 そして2期1話では、その手の届かなさが想像以上に高い壁になって見えました。Liella!はかなり知名度が上がっているし、とてもシロウトの新入生が入っていける状況には見えなくて。作中で話し合ったように「5人のままでもいいんじゃない?」って考えは確かに自分の中にもあったのを覚えています。その目線まで含めてこれから先輩と後輩でギャップの話をするよと、自然と視聴の方向性を合わされてしまったようで。見事な導入でした。

 

 高みのLiella!に入るには勇気が必要で、そこに至るまでの決意や不安がすごく良かったよね。例えばきなこちゃんはラインを踏み越え、さらに遠い場所にいる5人のもとまで歩かなきゃいけない。あの一線は1期1話でかのんちゃんが越えなかった線*15にも重なった気がします、まだ凡人のきなこちゃんは逆に外側から線を越えることでスターの世界に入って来れる。それから特に好きだったのはメイちゃん・四季ちゃん加入の4話ラスト、1人では怖くても2人なら手を握り合って不安に立ち向かえるんだね。そこまでしなければいけないほどLiella!という存在が大きくなっていること、それと共に前途多難ながらも勇気を振り絞って前を向く仕草がすごく好きでした。

 オニナッツの加入だけは少し特殊に見えます。何かに挑戦することはむしろ一人でやり尽くしていて、ただ自分にとって何が面白いのかを見つけられない人。スパスタの大切にする"集団"で救える人というのはこういう人なのかもね。オニナッツは1年生の3人からアイドルの楽しさを受け取り、かのん師匠には最後の仕上げだけしてもらいました。だからあの子は先輩を尊敬するだけじゃなく、隣の3人のことも割と好きなんじゃないかな……と思ったり。このあたりの違いが3期になって効いてくるとまた面白いよね。

 2期は先輩・後輩ではっきりと縦横の関係があるお話でした。それだけに力量差などの厳しい話題もありましたが、それをキャラクターや演出でどのように制御して扱うかがこのアニメの手腕で、大きな見所だったと思います。

 まず先輩側で好きだったところ。「出来ない人に合わせて練習のレベルを下げる」みたいに言いにくい話もしなきゃいけないとき、最初に口火を切るのはいつもちーちゃんなんだね。ちーちゃんが一番槍で行動を起こすたびにうれしくなる……。提案すればそれが正しいとは限らないし、実際にレベルを下げるのは間違いだったという結論にもなりました。でもその後、謝ったりせず「目標見失っちゃったね~」って朗らかでいられる空気がより一層好きでした。集団によっては萎縮したくなる場面だと思うし、根は臆病だったちーちゃんなら尚のこと。だけどLiella!でむやみに責任を問うような人はいないし、その居心地の良さがあるからちーちゃんも自分を信じて行動できるんだと思います。仮にちーちゃんが独走して危ないときはきっと誰かが止めてくれそうだよね。そういったところにも今作の掲げる"繋がり"の心地よさを感じました。

 葉月さんも本当に良かったよね。1期はちょっと影薄めだったけど、2期ではお茶目で優しい先輩として無くてはならない人でした。集団に一人でも接しやすい先輩がいると全然違うよね。お話上どうしてもシビアな雰囲気に傾くこともあったので、シーンの継ぎ目でパッと明るい空気に替えてくれたり、今ゲームにハマっていて……と等身大で居てくれるのがすごくありがたかったです。メイちゃんにピアノ教えてくれるところも好き、葉月先輩の背中を見て育ったら優しくてしっかりした子になりそう。

 後輩側は4人で集まって愚痴り合うような場面も好きでした。これまでのシリーズでも年次の区分はあったけど、ここまで一まとまりになった後輩感が出るのは他に無かったんじゃないかと思います。

 あと所々きなこちゃんにカリスマの片鱗が見えてくる気配もしました。スパスタではかのんちゃんが悩める人の前に現れては口説き落とすのが定番だったけど、半人前ながらきなこちゃんも似たようなことしてるな……って。たとえば富良野回のときはちょっと威圧感のある対面をしてから、自分から目線を下げて自然と肩を並べる仕草が好きでした。新人は先輩に似るというものかもしれないね。

 全体を通して良かったのがアニメーションの雰囲気づくり、特にLiella!の誰かが悪者にならない見せ方は徹底されていました。すみれちゃんがオニナッツの炎上商法について言及するときも、まずシーンチェンジを使って直接の台詞は出さないように、かつ階段の低い場所で話していて。これがもし高い場所から「あの子が~」って言っていれば、先輩・後輩の印象は付けられても嫌なイメージが残ったと思います。

 もちろん激しい対立でインパクトを出すのも大切なことだし、厳しさと優しさの折り合いを取るのは際どい線を走ってる感覚だったけど、少なくともアニメの中ではかなり意識を払った作りに見えました。言外でそれとなーく伝わる雰囲気づくりは1期5話*16を見たときもビックリして、同じく今期にも抜群のセンスを感じました。

 先輩・後輩の関係はあっても、最後は髪形を交換し合って一緒に仲良くできるEDも好きでした。やっぱり全体的には楽しく見られるアニメだったと言えるのが何よりも大きかったです。

 最終話は過去回との対比シーンも盛りだくさんだったね、オタクは対比が好き。地区大会敗退⇒全国進出と2年分を描けるアニメだったから、そこに懸けるものや台詞の変化にも1年分の重みを感じられるんだと思います。引きの「どうなっちゃうの~!」はびっくりしたけど……あれって初代ラブライブ2期13話のセルフパロディなの?! 慌てて見直して思い出しました、たしかにこんな急転直下の終わり方だったね。

 そういうわけで3期も楽しみです。次でメインになるのはたぶん"世界に歌を響かせる夢"。全国優勝は果たしたけどそこに留まらず、かのんちゃんはもっともっと高い星のような存在になっていくんだろうね……。それから2期はサニパさんが悔しい思いを抱えたから、3期で何かしら返り咲いてくれたら嬉しいな。

 

最近雇ったメイドが怪しい

 日々の癒し、幸せになれるアニメでした。視聴に向かう気軽さは夏クールNo.1

 原作は『ジャヒー様はくじけない!』と同じ方、褐色のお姉さんが好きなんだろうな~~。今作もコメディ主体で安心して見られたのと、特に坊ちゃまが可愛くて仕方なかったのが視聴の柱でした。ぜったい好青年に育つよね……

 制作はBLADEとSILVER LINK. 同じ体制は『史上最強の大魔王、村人Aに転生する』に続き、だんだんとBLADEに任せる幅を広げる流れなのかも。来年は『Lv1魔王とワンルーム勇者』ってタイトルをやるらしいよ。

 リリスさんが坊ちゃまをからかう→坊ちゃまの純情さで返り討ち、とお決まりのパターンがあるお話でした。基本はジャヒー様も同じ。繰り返しのあるコメディってなんだか見てて安心感を覚えてしまうね。劇的なお話に心を動かされたい日もあれば、"いつもの"を見て笑いたい日もあるというものです。

 雰囲気を探っていた1話のころは、坊ちゃまの「この屋敷で一人で生きていくんだ」って決意する台詞に掴まれました。そうなんだ……本当にできるかな。どうしようもない家庭の問題の中で大人にならざるを得なかった子というのが心の柔らかい部分に刺さりました、好き。いやいやそんな設定には屈しないぞと腕を組んだところ、坊ちゃまの真っすぐな好意の言葉を正面から受け止める戦いになりました。まだ負けてないから……

 今日の献立を聞いてパッと笑顔になる坊ちゃま見た?もうほんとうに可愛い。澄ました顔で片手にフォーク持ってるのが良すぎて。どれだけ背伸びしても年相応なところは絶対にあるし、特に坊ちゃまの年頃なんて孤独なまま一人で居ていいわけがないんです。この頃には見ていて坊ちゃまの様子がおかしければ不安になり、嘘の無い言葉を伝えてくれるたびに嬉しくなっていた気がします。

 ところで原作共通なのかもしれないけど、この脇を広げてズンッと立つのが好き。威嚇するアルマジロみたい。

 みんな大好きつかさお嬢様、出るだけで面白い子ってすごい。一度数えてみたら瞬きする間に10枚以上使って目まぐるしく動いてて笑っちゃいました。このアニメは一応恋愛カテゴリだけど、このくらいの年齢なら坊ちゃまとお嬢様が並んだときも身長に差がなくて、純粋に微笑ましく見られるね。この2人には立場の強弱とか抜きでいつまでも対等に仲良くあってほしい。

 トップ画像みたいに大勢が集まったとき奥でにっこりしてるカットが大好き、みんな笑顔だ。孤独な坊ちゃまにリリスさんが付いてくれるのは第一として、それに加えて毎日が賑やかになって、大切な人と肩を並べて笑い合えるのはもっと幸せな時間なんだろうね……

 8話はびっくりでした、まさか告白のあるアニメだったなんて。同じパターンを繰り返す中でも少しずつ形を変えていくものがあり、その大きな一つは"好き"を伝えることでした。お前が好きだ、惹かれている、なんて言葉は何度も口にしたけどここは特別だよね。このアニメは普段から顔が良いにも関わらず、ここぞという場面ではさらに一段レベルが上がるようでした。意図があって感情の乗ったアニメーションが大好き。

 しかも8話大一番の"好き"でさえ、さらに時を重ねて最終回になれば「やっぱり分からない」に立ち返るんです。それは今までが嘘だったわけでも迷走でもなく、これまでの坊ちゃまには正体が掴めず発信するしかなかった気持ちが、ただなぜか熱くなっている頬にリリスさんの冷たい手を当てたくなるまでに育ってるんだよね。それはもう愛なのですわ~~~!!!

 夏クールの締めくくりに選んだのもこのアニメでした。放送時期が遅めだったのを外しても多分同じだったと思います。気を楽にして見られただけでなく、"いつもの"を繰り返す中で何かが成就して見える、それは芽が蕾になったくらいのほんの些細なことかもしれないけど、そこに幸せな気持ちを抱けることがたまらなく嬉しくて。そういうものを得るためにアニメを最後まで見ているのかもしれません。

 

終わりに

 夏クールは何だかんだ春と同じくらいの本数を見られました。見る範囲を絞ろうか考えた時もあったけど、結果的にアニメを見なくて良かったと思うことは無く、むしろもう2,3本あのアニメも押さえたかったな……と思う方が多かったです。もちろん人には人のペースがあるので、無理のない範囲で穏やかにアニメを全部見ようね。

 サムネイルは『邪神ちゃんドロップキックX』から好<ハオ>です。他の候補は『ちみも』の大盛ごはん、『Extreme Hearts』の焼肉とひょっこり出て来るひよりん所長。

 感想は個人のもので決めつけるものではありません。自分自身で感じたことが何より尊重されるものと思います。夏アニメも本当に楽しい時間を過ごせました。以上です!

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*1:ほとんど公式の供給が無いコンテンツの界隈に住んでいたことが

*2:もちろん異を唱える事こそが愛というのも然りと思います。瀬戸内さんはそうするんでしょう。

*3:https://www.famitsu.com/news/202209/06273832.html

*4:https://mobile.twitter.com/pentarouX/status/1270007935880491011

*5:https://exhearts.com/blog/

*6:https://gekkan-bushi.com/comics/teppen/

*7:前期だと『其れ、則ちスケッチ。』が3Dモーションキャプチャ+実在する漫才ネタのコピーで克服していましたね。ちなみに落語はまた別だと思います

*8:ところであの人と『メイドインアビス』のレグの声が同じ人ってほんと?

*9:ちなみに次のカットでは映す角度が変わって、太ってないことがちゃんと分かるようになっています

*10:https://president.jp/articles/-/25263

*11:「人を舐めてごく簡単なことを教える」のと「丁寧に教える」のはきっと線引きが難しいけど

*12:あれ口らしいよ。「眼差しとは即物的な瞳ではない」と言っていた通りなら、あの表情は紛れもなくベラフさんの信じるものとして成立していたんだろうね

*13:もしくは奈落で生まれ直した人。リコさんも生まれたのは奈落の底。

*14:これは虹ヶ咲の方が外伝的な立ち位置だからというのもあるけど。もちろんどちらにも良さがあり好きなアニメです。

*15:そこを越えれば実力のあるかのんちゃんが歌うことを諦め、物語がおしまいになる線

*16:ちーちゃんが集団の中にいてもなんとなく蚊帳の外に見えるような回