なんかやりたい ⑥アニメをやりたい

アニメをとにかく1つやってみたい。

 

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やりたかったこと

これまでは要素要素のことをしたけど、今できる等身大でもひとつアニメの形としてやってみれば、アニメを見るときもっと楽しんで見れるんじゃないかな。と思ってGWの宿題にしました。実際はもっと前から始めて月末までかかったから大遅刻だけどね。

絵コンテ

まずは絵コンテでどんな場面があればいいかを整理しました。初めてだし急におもしろい話も思いつかないものの、悩んで頓挫するよりとにかく完成まで持って行きたかったので勢いを第一に。原案は小学生のときノートの端に書いていた”頭から木が生えてる子”です。

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大粗削りで長さも思った以上になっちゃったけど、とりあえず場面分けを決めました。
よー
し、やるぞー!!

 

1つ目

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小さい木を見下ろす。木は食べ残されてる。なところをやって最終的な話のオチと繋がるような書き出しにしました。この中の主役はブロッコリーなので、箸の線で指し示したり書き込みの密度に差をつけて緑が目立つよう試みました。

 

2つ目

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"見下ろす"感を出して、目線が落ちたときブロッコリーにピントが合うようにしました。後ろも寂しかったので物を入れて、朝の支度をする場面なので時計を置いたり、なんとなく圧迫感が出るように。

こういう事をいきなりやろう! と思っても頭の引き出しが足りないので、似たような図のアニメを思い出してきて観察するところから始めました。

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(マギアレコード 4話、まちカドまぞく4話)

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うまくやってるものと見比べると、特にあごのところが思ってたのと違います。よく言われるアオリやフカン*1を気にするとあごの裏が見えたりするのですが、これだとリアル寄りな印象にもなってしまいます。リアルよりキャラっぽさを前に出すなら角度は実際より抑えめにして、代わりに前髪や顔のパーツを上げて調整した方が良い感じに見えそうです*2

 

3つ目

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並べるとちょっとコワいね・・・。繋ぎと舞台紹介のシーンです。「今は登校してるよ」ってことが分かればいいので、服装を全身で出したり、人よりも背景を大きく映しました。

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←が始めに作ったもの。苦し紛れに作った黄緑の立方体が悲哀を漂わせています。当初はこれでいっかとも思いつつ、でも最終的に通しで見るとやっぱり気になったのでブラッシュアップをかけました。凝りだすといつまでも完成しないね。大きな塊は変えなくても影や書き込みを増やすとそれっぽく見えそうです。だけどまあまあ時間もかかってしまいました。背景と和解しないといけない……

 

4つ目

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ここはやる事がいっぱいあります。

①手前に向かって歩いて、
②奥のミドリちゃんは最初隠れていて、
③振り向いたら、
④頭の見切れたミドリちゃんが現れる。

という流れがあります。まずは手前に歩くための背景から。前のもそうだけど、住宅街なんてろくすっぽ描いたことの無いものは資料やGoogleマップで調べながら作ります。やったことが無いものは調べて描くのが超大切。

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枠内が実際に映るサイズで、縮小することを考え大きめに作っておきます。奥のミドリちゃんの頭が見切れるよう地平線は高めに。それから塀の高さと身長を比べて、高すぎたり低すぎたりしないかを確認しています。

まずは1枚だけ作ってやりたいことができるかお試し。

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だいたい出来てそうです。背景は地平線のラインが動かないくらいで縮小させています。手前が右にスライドするとき後ろはどっちに動くんだっけ…? などなど、いざやってみると分からなくなって試行錯誤しました。

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歩くときの揺れを作ります。1枚目をベースに線半分~1本分くらいの幅でズラしながら枚数を重ねていきます。

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繋げてみるとボヨンボヨンしてたり変なところが見えるので、修正しては確認を繰り返します。


次に振り返りのところ、この動きは②回目のときやったことに似てます。それっぽく見せるためには、瞬きを入れる、アゴを沈ませる、大きく顔を回さなくてもいい、あたりがポイントでした。

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ゴールと真ん中を作りました。動きを確認したらこれらを元にそれぞれ中割りを入れます。修正含め色々してるとだいたい1枚に40分~1時間くらいかかります……。

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線を引いたら色塗り、主線のほかに影線とハイライト線も入れて色の境界を決めておきます。

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奥のミドリちゃんも。絵コンテの通りに手を上げきるとはみ出てしまうので顔の横あたりで振らせました。背景にはミドリちゃんの他にも植木の緑がありますが、登場の印象を薄めるとよくないので褪せた色で使い分けています。

 

5つ目

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前の仕草と合わせるために右手は低め、正面顔のシーンが続いたので斜めを向くようにして、木はぐいっと見上げる巨大さを誇張したかったです。最初の絵コンテとの違いにいかに詰め切れてない見切り発車だったかがわかるね。。。木はあまりリアル寄りにすると人と馴染まなかったのでポップな丸っぽい塗りにしました。新しいキャラの初登場シーンなので、カメラを上げるときは顔がちゃんと見えるように緩急をつけました。

 

6つ目

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絵コンテをもうちょっと詳しくして、どんな動きがあればいいかを練りました。ここでは歩く、喋る、に加えて目線の切り替えがあります。パッと替わるとヘンなので3.の頷くような予備動作を置きました。

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まずは歩きから。改めてテレビアニメの動きを見直しつつ、今回は肩に動きをつけてみました。右足・左足と踏み込むたびに髪が揺れて、2回揺れるごとに肩を振らせます。↑は修正前のもので、特に気になるのは左目の上、ポニテの下、頭頂部の継ぎ目あたり。ここから歩かせるために各コマで位置を調整して、口パクを入れて、着色と続きます。

 

みどりちゃんも同じように歩かせてあげます。
・・・

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にょろーんとした長い線が多くてたいへん……。うねりのある線が多いので、揺らしたり伸び縮みさせる動きを混ぜてゴチャゴチャ感を出そうとしました。

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傾きと頷きも付けました、口パーツは後付けです。後ろの建物は2層に分けて別々に動かしちょっとだけ遠近感を出しました。途中で見上げるとき、目線と同じ斜めの線が欲しかったので傘を入れてみました。

 

7つ目

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次(ラスト)が止めた画面で終わるので思い切ってぐるっとカメラを動かすようにしました。建物や道のまっすぐな線をグニャらせておけば異質感や巨大感が出せそうです。

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小さきものたち。鳥は後ろ3枚の繰り返しで飛ばして、特に羽ばたいたときに浮き上がるよう動かすと質感が上がった気がしました。

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8つ目

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手前にボカした人や物があると急にそれっぽい、大きな影が落ちるのでその中の細かい影は吸収させました。なんとなく両脇にスペースが空いてしまったのでミドリちゃんや道を置いて隙間から葉っぱが入ってくるようにしました。

 

おわりに

思いつきで走り始めて拙いところばっかりだったけど、とりあえずまとまったものが出来てほっとしています。反省は絵コンテがガタガタだと後で酷い目を見る体験ができたことと、線を何回も書き直したり修正がかかるせいで時間がどんどん過ぎることなど……。すぐに上手くは行かなくても経験が埋めていくところなのかなと思います。今回は歩きなどの細かい仕草が多かったので、大きな動きで場面を華々しくしたり、演技することがお話にとって意味を持つようなシーンも出来たらきっとおもしろそうです。

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以上です! 

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*1:下から見たり上から見たときの描き方のこと。

*2:余談だけど、2つの画像は背景の曲がり方が違って見えると思います。左はどこか奇妙な感じ、右は正しく堂々とした感じがして、今は圧が欲しかったので右の形で作りました。正しくないことを意図して組み入れてかつ崩れず成立させられるのはレベルが高くてスゴい……!